ニュース
“Windows 10アップグレード”の公式キャンセル方法をマイクロソフトが解説、6月“Windows 10の日”
6月中旬からは通知対象のバージョンを拡大
2016年6月10日 19:46
日本マイクロソフト(株)が10日(マイクロソフトいわく“Windows 10の日”)に実施したWindows 10の最新情報に関する説明会では、Windows 10へのアップグレードをキャンセルするための具体的な方法についても、公式の立場から改めて説明がなされた。
Windows 7/8.1からWindows 10へのアップグレードに関して、アップグレードを望む場合はスムーズに済ませられる一方、アップグレードを望まない場合には執拗に通知が表示され、またキャンセル操作がわかりにくいという点が広くユーザーの反感を買っており、とうとう国会答弁が実施される事態にまで発展している。
同社は説明会において、主にセキュリティ面で最新のOS環境を導入する必要性を説き、現在問題視されているアップグレード通知については『ユーザーエクスペリエンスとセキュリティ向上の観点から、できるだけWindows 10にアップグレードしていただきたい』とのスタンスを表明している。
またアップグレードをキャンセルするためのパスを複数用意している点も強調し、ユーザー自ら選択しない限り、巷で言われているように“自動的にアップグレードされる”ことは“ありえない”とした。
Windows 7 SP1/8.1においてWindows 10のアップグレードを中止するタイミングは2つ用意されており、1つは通知の時点でアップグレードスケジュールの変更もしくは予定のキャンセルを行なう方法、もう1つはWindows 10へのアップグレードをいったん承認した後、確認画面で“拒否”を選択する方法がある。
また無償アップグレード通知は、6月中旬よりSP1未適用のWindows 7およびWindows 8も対象となることも告知された。Windows 7/8ではログインごとにアップグレードを促す通知を表示するが、通知を停止するための適切なリンクを選択することで、次回以降の通知を停止できる。
マイクロソフトはアップグレードをキャンセルするための手順について“複雑である”との指摘については“必要であれば変更する”との意向を示しつつも、現状で変更する予定はないと説明した。
一方で、Windows 10の良さを伝えるための方策については“全く足りていない”との認識を明らかにしており、さらなる情報提供体制およびサポート体制の強化を表明している。
なお、Windows 10への無償アップデートは2016年の7月29日に終了する。有償版に関しても、Windows 7/8.1からのアップグレード版は用意しない予定で、現在販売されているパッケージ版やダウンロード版、ボリュームライセンスの購入が必要となる。
またサポート面では、発生したトラブルの件数は非公開と説明しつつ『しっかりとサポートしている』と話した。ソフトウェアの互換性に関しても、『100%完全に互換性を確保したと言い切ることはできないが、米国からエンジニアを呼び、時間をかけて互換性を向上すべく作業しているので、自信を持ってリリースしている』としている。
最後に、無償アップグレード期間終了後のマーケティングについては『最新の機能をユーザーに享受していただくには新しいデバイスをご利用いただくことのが最適なので、無償アップグレード終了後は、デバイスにマーケティングの比重をシフトしていく』と今後の見通しを明らかにした。