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Microsoft、「Visual Studio 2015」のリリース候補版を公開

正式リリースは今年後半を予定

「Visual Studio 2015」

 米Microsoft Corporationは4月29日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio」の次期バージョン「Visual Studio 2015」のリリース候補(RC)版を公開した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。日本語版も用意されている。

 「Visual Studio 2015」は、ユニバーサル Windows プラットフォーム向けのアプリやゲームの開発をサポート。スマートフォンやタブレット、PC、ゲーム機(Xbox)、IoTデバイス、拡張現実ヘッドセット“HoloLens”など、あらゆるWindows 10デバイスで動作するアプリケーションを開発するために、新しいUIデバッグツールやXAMLデザイナー、プロファイリング機能、デバッグ機能などが提供される。

 さらに、Windows以外のプラットフォームをターゲットとした開発もできる。たとえばモバイル開発向けでは、「Apache Cordova」や「Xamarin」といったクロスプラットフォームフレームワークやC++言語を利用することにより、iOS端末やAndroid端末でも動作するアプリケーションを開発可能。「Visual Studio Emulator for Android」も搭載されており、Android端末での動作をテストすることもできる。

 また、Web開発ではPythonやNode.js用のツールが利用可能。もちろん、.NET言語を利用して「ASP.NET 4.6」「ASP.NET 5」アプリを開発することもできる。特に「ASP.NET 5」はオープンソース化されており、Windows/Linux/Macでも利用できるようになっている。

 機能面では“Team Explorer”機能に“GitHub”が統合され、ソース管理機能から“GitHub”のオープンソースプロジェクトへ簡単にアクセスできるようになるといった強化が施された。この機能は“GitHub”チームとの共同開発であるという。そのほかにも、高DPIモニターのサポートが強化され、スケーリング設定が400%の環境でもアイコンがくっきり表示されるようになった。また、「Visual Studio」のログインに“Microsoft アカウント”ではなく会社や学校のアカウントが利用できるようになっている。

 なお、「Visual Studio 2015」は「Visual Studio 2013」とサイドバイサイドで動作する(共存が可能)。また、RC版では運用環境に展開できる“Go-Live”ライセンスが含まれており、一般に配布するためのアプリケーションを開発するために利用することもできる。ただし、“Windows ストア”で配布するには正式(RTM)版の「Visual Studio 2015」で再コンパイルする必要がある。また、「ASP.NET 5」はプレビュー版のため、本番環境での利用は推奨されていない(「ASP.NET 4.6」は可能)。

 「Visual Studio 2015」は、Windows 7/Server 2008 R2/8/Server 2012/8.1/Server 2012 R2およびWindows 10 Technical Previewに対応しており、現在、無償版の「Visual Studio Community」と、MSDNサブスクリプションが付属した有償版「Visual Studio Professional with MSDN」「Visual Studio Enterprise with MSDN」がラインナップされている(“Enterprise”は“Premium”と“Ultimate”を統合した後継版)。そのほかにも、“Express”や“Test Professional”などのエディションが計画されているようだ。正式リリースは今年後半の予定。

ソフトウェア情報

「Microsoft Visual Studio Community 2015」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 7/Server 2008 R2/8/Server 2012/8.1/Server 2012 R2
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
14.0.22823.1(15/04/29)

(樽井 秀人)