レビュー
選択肢のないマルチエンディング・ノベルゲーム「カワリモノ」
死刑囚の女性とその夫の物語が、選択肢・周回要素なしで3つのルートに分岐
(2013/11/18 19:07)
「カワリモノ」は、選択肢のないマルチエンディングのノベルゲーム。編集部にてWindows 7/8.1で動作確認した。フリーゲームの配信サイト“ふりーむ!”からダウンロードできる。
本作は、ストーリーが3つのエンディングに分岐するノベルゲーム。プレイ時間は1周10分から20分程度の短編だ。特徴は、マルチエンディングだが選択肢が一切ないこと。加えて言うならば、“周回プレイによる分岐”“キーワード入力による分岐”“特定の場所をクリックすると分岐”といった要素もない。
それではどのようにして分岐するのか、それは実際にプレイして確かめてほしい。各エンディングの後にはヒントも表示されるため、まずは細かいことを気にせず1周読んでみるのがお勧めだ。
物語は、死刑を待つ女性とその夫である主人公の面会シーンから始まり、別れを惜しむような会話が、ある一点から意外な展開を見せていく。ひとつの共通モチーフを根底に置きつつも、ルートによって主人公達の辿る道筋が大きく変わるのが面白い。
全エンディングに到達すると読める後書きでも触れられているように、本作で分岐に使われている仕組みは“物語の読ませ方”を広げるゲームならではの手法として可能性を秘めていると感じた。本作は実験的な短編だが、この仕組みを利用した長編作品なども期待したいところだ。
ソフトウェア情報
- 「カワリモノ」
- 【著作権者】
- 黒猫銀次 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7/8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.01(13/11/16)