『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android（アンドロイド）”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、“自炊”した漫画を快適に閲覧できる画像ビューワー「JisuiDroid」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

独自のフォーマットと“Googleドキュメント”の連携で快適にマンガを閲覧

　マンガ好きのなかには、所蔵スペースの削減や持ち運びに便利といった理由から、裁断機を使ってバラバラにしたマンガをスキャナーで取り込んで電子データにする“自炊”をしているという人もいるだろう。今回紹介する「JisuiDroid」を使えば、自炊したマンガをAndroid端末で快適に閲覧することが可能だ。

　本アプリは2つの大きな特徴をもつ。1つ目は、ページの読み込みなどを高速化するために、JDH/JDC形式という独自のフォーマットを利用していること。そのため自炊したマンガは、WindowsやMac上で動作する「変換用アプリケーション」を使ってあらかじめJDH/JDC形式に変換しておく必要がある。なお、「変換用アプリケーション」の利用にはJavaランタイム（JRE）が必要。

　もう1つの特徴は、“Googleドキュメント”との連携機能を備えること。JDH/JDC形式に変換したマンガを“Googleドキュメント”に保存しておくことで、ネットにさえつながっていれば「JisuiDroid」上から直接マンガをダウンロードして閲覧することが可能となっている。たとえばスマートフォンとタブレットを使い分けているという場合でも、“Googleドキュメント”をベースにマンガを管理できて便利だ。

ZIP/RAR/PDF形式のマンガを「変換用アプリケーション」で独自形式に変換

　「変換用アプリケーション」では、ZIP/RAR形式で圧縮した画像ファイルやPDFファイルをJDH/JDC形式に変換すると同時に、“Googleドキュメント”へアップロードすることが可能。また“Googleドキュメント”からマンガをダウンロードする際は、ダウンロード完了を待たずに、ダウンロードできたページからマンガを閲覧できる。

　利用する際は、まず「変換用アプリケーション」を使ってマンガの形式変換および“Googleドキュメント”へのアップロードを行おう。操作は簡単で、Googleのアカウントや変換したファイルを保存するローカルのフォルダを指定したあと、ZIP/RAR/PDF形式のマンガを画面上へドラッグ＆ドロップすればよい。

　“Googleドキュメント”へのアップロードが完了したら、同じアカウントを「JisuiDroid」に登録しよう。次にメニューにある［書籍登録］項目から“Googleドキュメント”へアップロードしたマンガの一覧を表示し、読みたいマンガのチェックボックスをONにしてダウンロードを開始する。

　するとダウンロードしたマンガのサムネイル画像とタイトルが本棚の形をしたメイン画面に並び、タップすればそのマンガを閲覧できる。このときダウンロードが完了していないマンガを選択した場合は、ダウンロードしながらマンガを読み進めていくことが可能。またメイン画面では、フォルダのような役割をもつ“本棚”でマンガをシリーズごとなどに分類して管理できる。

　もちろん“Googleドキュメント”を介さずに直接マンガをSDカードに保存することも可能。その際は、JDHファイルをSDカードの“JisuiDroid\bookshelf”フォルダへコピーし、JDCファイルを“JisuiDroid\content”フォルダへコピーすればよい。

タブレット端末で利用する際は横画面の見開き表示がオススメ

　マンガの閲覧時は、画面上にページの内容とページ数だけが表示され、フリック操作でページを切り替えられるほか、ピンチイン・アウトによるズームイン・アウトも可能。また、画面の中央をタップすれば次のページへ進み、左右端をタップで前のページに戻る。

　画面上部をタップすると画面下部にツールバーが表れ、ツールバー上のスライダーで高速にページを送ることが可能。さらに、スライダーの左側に表示される本型のボタンをタップすると画面が横向きに切り替わり、2ページずつ見開きでマンガを閲覧することが可能だ。とくに画面の大きなタブレット端末でマンガを読む際はこの機能を利用するとよいだろう。

　またメニューの［栞をはさむ］項目から任意のページにしおりを挟み、すぐにそのページを開けるようにするといった機能も用意されているほか、12個のボタンのON/OFFによるロックを解除しないと指定したマンガを閲覧できなくする“機密書庫”機能を備える。