杜のAndroid研究室

第243回

モバイルルーター利用時も通信量を節約できる新「Opera Max」

LTE/3Gに加え、Wi-Fiでも通信量を節約可能に

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、さまざまなAndroidアプリの通信量を節約できるアプリ「Opera Max」の新バージョンに焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

さまざまなアプリの通信量を節約できる「Opera Max」が新バージョンに

「Opera Max」
履歴と設定を引き継いだ後、本アプリの画面から旧バージョンをアンインストールできる

 「Opera Max」は、Android端末にインストールしている各アプリの通信量を節約・管理できるアプリ。人気のWebブラウザー「Opera」の開発元であるOpera Software ASAが提供しており、Android版「Opera」や他のWebブラウザーに加え、動画アプリやニュースアプリなど、さまざまなアプリの通信量を節約することが可能。本アプリの起動時に他のアプリで通信を行うと、“Opera Max”のクラウドサーバーを経由。テキストや画像、動画などがクラウドサーバーで圧縮されてから端末へ転送されることで、通信量を節約できる仕組みとなっている。

 なお、「Opera Max」はすでに本連載でも取り上げているが、今回の新バージョンでは、従来のLTE/3Gに加え、Wi-Fiの通信量も節約できるようになったため、あらためて紹介する。また、新バージョンは旧バージョンの「Opera Max」とは別のアプリとなっているため、Google Playから新規インストールする必要があるので注意しよう。

 本アプリの初回起動時には、旧バージョンからデータの移行が行われ、履歴と設定を引き継ぐことが可能。さらに、続いて表示される画面から旧バージョンのアンインストールも行える。画面左下の[旧バージョンをアンインストールする]ボタンをタップして旧バージョンをアンインストールするか、または[続行]ボタンをタップすると、起動画面が表示される。

LTE/3GとWi-Fi通信時のそれぞれで“データ圧縮”モードをON/OFFできる

メニューを選択して、[モバイル使用量]または[Wi-Fi使用量]画面を切り替え可能

 起動画面では、その日の通信履歴などを時系列で確認できるようになっており、接続状況に応じて、LTE/3G通信時には[モバイル使用量]画面、Wi-Fi通信時には[Wi-Fi使用量]画面がそれぞれ表示される。また、画面左上の3本線の[メニュー]ボタン(ハンバーガーボタン)をタップして表示されるメニューで[モバイル使用量]または[Wi-Fi使用量]項目を選択して、画面を切り替えることも可能。

 また、各起動画面右上にあるスイッチをタップすることで、通信量を節約する“データ圧縮”モードのON/OFFができ、LTE/3GまたはWi-Fi通信時の画面ごとに個別で“データ圧縮”モードのON/OFFを選択可能。たとえば、LTE/3GとWi-Fiの両方で通信量を節約したり、LTE/3Gのみで通信量を節約するといった設定ができる。

 なお、“データ圧縮”モードを最初にONにした際には、VPN接続の確立を許可するためのポップアップが表示されるので、[このアプリケーションを信頼できるものとみなします]のチェックボックスをONにして許可しよう。

 “データ圧縮”モードがONのときに、他のアプリで通信を行うと、クラウドサーバーを経由して通信量が自動的に節約される仕組み。これにより、スマートフォンのLTE/3Gの通信量を節約したり、Wi-Fi接続するモバイルルーターの通信量を節約することが可能になる。

各起動画面右上のスイッチをタップして、“データ圧縮”モードをON/OFFできる
“データ圧縮”モードを最初にONにしたときに表示されるポップアップでVPN接続の確立を許可する

各アプリが使用した通信量、節約できた通信量などを細かく確認可能

 各起動画面で確認できる情報を詳しく見ていくと、まず[今日]タブの画面上部に表示されるカードでは、その日の通信量および節約できた通信量の集計を確認可能。カードを左へフリックすることで、節約率のパーセンテージやもっとも通信量を節約できたアプリなどを確認できる。

画面上部のカードをフリックすると、もっとも通信量を節約できたアプリなどを確認可能
[今月]タブでは、各アプリが月間に使用した通信量および節約できた通信量を確認できる

 画面中央では、各アプリの起動時刻や使用時間、使用した通信量、節約できた通信量といった詳細な履歴を閲覧でき、下へスクロールすることで前日や前々日の履歴も閲覧可能。また、[今日]ボタンをタップして表示されるメニューから日付を選択し、数日前の履歴を表示することもできる。

 画面を左へフリックすると[今月]タブに切り替わり、各アプリが月間に使用した通信量および節約できた通信量を一覧表示で確認可能。一覧は通信量順のほか、節約量順、名前順で並べ替えることができる。また、[今月]ボタンのメニューから年月を選択して、過去の月間履歴を参照することも可能だ。

[今月]ボタンのメニューから過去の月間履歴も参照できる
[Wi-Fi使用量]画面でも同様に、[今日][今月]タブで通信履歴を確認可能

特定のアプリの通信を制限し、通信量の無駄な消費をカット

 本アプリでは、特定のアプリのLTE/3GまたはWi-Fiの通信を制限することができる。画面左上の[メニュー]ボタンから表示されるメニューで[制限中のアプリ]項目を選択すると[制限中のアプリ]画面を表示可能。画面を左右にフリックして、[モバイル][Wi-Fi]タブを切り替えられるので、各画面左側のアプリ一覧からLTE/3GまたはWi-Fiの通信を制限したいアプリをタップで選択すればよい。なお、起動画面の履歴からアプリを選択し、通信制限を設定することも可能だ。

画面左側のアプリ一覧からアプリをタップして、通信制限を設定するアプリを選択可能
画面を左へフリックして[Wi-Fi]タブに切り替えると、Wi-Fi通信を制限するアプリを設定できる

 通信制限を設定したアプリを指定の条件下で起動すると、通信できずに制限中であることを通知するポップアップが表示される。ポップアップの[制限を解除する]ボタンをタップすれば、一時的に制限を解除して通信することも可能。バックグラウンドでの通信を制限して、通信量やバッテリーの無駄な消費を抑えたいときなどに便利。

 このほか、本アプリの設定画面では、画像と動画のそれぞれの圧縮率を高・中・低・OFFから選択可能。圧縮率を上げれば通信量をより節約できるが、各アプリで表示される画像や動画の画質は低下する。一方、圧縮率を下げれば画質の低下を抑えられるが、その分節約できる通信量も少なくなる仕組みとなっている。

 なお、旧バージョンでは、7日間の有効期間が設定された無料の“Savings Pass”を更新することでアプリの継続利用が可能となっていたが、新バージョンでは“Savings Pass”を更新する手間も不要になっている。

通信制限を設定したアプリを指定の条件下で起動すると、ポップアップが表示される
設定画面では、画像と動画のそれぞれの圧縮率を高・中・低・OFFから選択できる
「Opera Max」
【著作権者】
Opera Software ASA
【対応OS】
Android 4.0以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.225.113(15/05/29)

(ライターズハイ:鈴木 友博)