杜のAndroid研究室

第218回

Androidアプリの通信量を節約できる「Opera Max」

画像や動画のデータをサーバー経由で圧縮し、通信量を削減可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、さまざまなAndroidアプリの通信量を節約できる「Opera Max」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

「Opera」以外のAndroidアプリの通信量も節約可能

「Opera Max」

 「Opera Max」は、人気のWebブラウザー「Opera」の開発元であるOpera Software ASAが提供する、さまざまなAndroidアプリの通信量を節約できるアプリ。Android版「Opera」で従来より提供されてきた“データ圧縮”機能を他のアプリでも利用可能にするもので、Webブラウザーやニュースアプリ、動画アプリなど、さまざまなアプリのLTE/3Gの通信量を節約することができる。また、各アプリが使用した通信量や節約できた通信量を管理することも可能だ。

 本アプリ起動時に他のAndroidアプリが通信を行うと、VPNを利用して“Opera Max”のクラウドサーバーを経由。クラウドサーバーでテキストや画像、動画などの暗号化されていないデータが圧縮され、端末に転送されることで、通信量を節約できる仕組み。なお、HTTPSなどの暗号化された通信は対象外となる。

 初回起動時に現れるチュートリアルを終了すると、VPN接続の確立を許可するためのポップアップが表示されるので、“このアプリケーションを信頼できるものとみなします”のチェックボックスをONにして許可しよう。すると、本アプリの起動画面が表示されると共に、“データ圧縮”モードがONになり、ステータスバーには2種類のアイコンが常駐する。

初回起動時に表示されるポップアップでVPN接続の確立を許可する
本アプリの起動中には、ステータスバーに2種類のアイコンが常駐する

 “データ圧縮”モードがONのときに、他のアプリでLTE/3Gの通信を行うと、クラウドサーバーを経由して通信量を節約することが可能。Wi-Fi通信時には、“データ圧縮”モードが自動でOFFになる。なお、端末の電源を切ると本アプリの常駐は終了するため、再起動後に本アプリを起動し、VPN接続の確立を再び許可して常駐を再開させる必要がある。

使用した通信量や節約できた通信量をアプリ毎に確認できる

 本アプリの起動画面はタブ切り替え型となっており、[今日]タブでは、その日の通信履歴を時系列で確認可能。各アプリの起動時刻や使用時間、使用した通信量、節約できた通信量のほか、“データ圧縮”モードをON/OFFした履歴なども確認できる。

 また、画面上部には当日の集計を確認できるカードが表示されており、カードを左右にフリックすることで、全アプリで使用した通信量や節約できた通信量の合計、節約率やもっとも通信量を節約できたアプリなどを確認可能。さらに、画面を下へスクロールしたり、[今日]ボタンをタップして表示されるメニューから日付を選択することで、前日や前々日などの履歴を確認することもできる。

画面上部のカードを左右にフリックすると、通信量の節約率をパーセンテージで確認可能
画面上部のカードでは、もっとも通信量を節約できたアプリも確認できる

 起動画面を左へフリックして表示される[今月]タブでは、各アプリが月間に使用した通信量および節約できた通信量を一覧表示で確認可能。一覧は通信量順や名前順などで並べ替えることができ、画面上部に表示されるカードでは全アプリの集計を確認できる。

各アプリが月間に使用した通信量および節約できた通信量を一覧できる
アプリ一覧を通信量順や名前順で並べ替えることも可能

特定のアプリがWi-Fiのみで通信するように設定可能

 本アプリを利用してデータを圧縮すると、各アプリで表示される画像や動画の画質は低下する。本アプリの設定画面では、画像と動画のそれぞれの圧縮率を高・中・低・OFFから選択可能。圧縮率を下げれば画質の低下を抑えられるが、その分節約できる通信量も少なくなる仕組みだ。また、画像や動画をあまり使わないアプリや、HTTPS通信を利用するものなど、アプリによっては、本アプリによる通信量の節約効果が現れにくい場合もある。

 通信量の無駄な消費が多いアプリなどは、本アプリでLTE/3Gの通信を制限してWi-Fiのみで通信するように設定する機能も備える。起動画面の[今日]または[今月]タブの一覧からアプリを選択し、各アプリの使用履歴画面の上部にある“モバイルデータ通信を制限”のチェックボックスをONにすることで設定可能だ。

画像と動画の圧縮率を高・中・低・OFFから選択することが可能
特定のアプリのLTE/3Gの通信を制限し、Wi-Fiのみで通信するように設定可能

 なお、起動画面右上の[…]ボタンのメニューから[制限中のアプリ]項目を選択して表示される一覧画面では、Wi-Fiのみで通信させたいアプリを一覧から選択して設定したり、設定を解除することが可能。

 このほか、本アプリの継続利用には7日間の有効期間が設定された“Savings Pass”が必要となる。執筆時現在、“Savings Pass”は起動画面の[データ圧縮]タブから無料で入手可能。7日間が経過する前に、新しい“Savings Pass”を入手することもできる。

Wi-Fiのみで通信させたいアプリを一覧画面で設定することも可能
[データ圧縮]タブで7日間有効な“Savings Pass”を入手することで継続利用できる
「Opera Max」
【著作権者】
Opera Software ASA
【対応OS】
Android 4.0以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.9.754(14/11/18)

(ライターズハイ:鈴木 友博)