いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セルに「#DIV/0!」「#NUM!」とエラー表示されてしまったときのエクセル対策ワザ

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

セルに「#DIV/0!」「#NUM!」と表示される原因は?

 Excelでは、セルに入力した数式が正しく計算できない場合、セルに「#DIV/0!」や「#NUM!」などのエラー値が表示されます。資料作りにExcelで表計算させようとしたら、セルにこのようなエラー値が出てきてどうしよう……と困った経験が多くの人にあるのではないでしょうか。

 エラー値は7種類あり、セルに入力した数式そのものだけではなく、その数式が参照するセルのどのあたりに間違いがあるかを調べるためのヒントになるのです。

 今回は、0で割ったときに表示される「#DIV/0!」と、関数や数値に問題があるときに表示される「#NUM!」という、数式を入力したセルに表示されやすい2種類のエラー値について解説します。

0で割ったときに表示される「#DIV/0!」

 「#DIV/0!」は、セルの中で「0での割り算」を行ってしまったときに表示されるエラー値です。

 ここでは、合計点を受験科目数で割って平均点を求める表計算の例で考えてみましょう。セルG5に「#DIV/0!」(①)と表示されています。

 G列には受験者ごとの平均点を求める数式「=F5/E5」(②)が入力されています。「合計点÷受験科目数」です。

 セルE5に入力された数値は「0」(③)です。つまり、セルG5の数式は「0」で割る数式になっているため、「#DIV/0!」のエラー値が表示されてしまったというわけです。

 この場合は、「受験科目数が0の人がいた」ということなので、数式そのものに誤りがあるわけではありません。平均点を入力するG列の数式を、「受験科目数が0の場合は平均点のセルに何も表示されないようにする」という意味のものに修正しましょう。

 セルG4をクリックし、「=IFERROR(F4/E4,””)」(④)という数式を入力して、[Enter]キーを押します(⑤)。セルG4は、もともと計算結果がエラーになっていないので、数式を修正した後も「F4/E4」の計算結果が正しく表示されます。

 「IFERROR」関数は、計算結果がエラーになった場合に表示する値を指定したいときに使う関数です。④でセルG4に入力した数式は「F4/E4の計算結果がエラーになった場合は何も表示しない」という意味です。

 セルG4に入力した数式を他のセルにもコピーします。セルG4の右下にマウスポインターを合わせると、マウスポインターの形が十字に変わります(⑥)。

 十字のマウスポインターをセルG8までドラッグします(⑦)。

 数式がコピーされ、先ほどエラー値が表示されていたセルG5には何も表示されなくなりました(⑧)。G列の他のセルには平均点が正しく表示されています。

関数や数値に問題があるときに表示される「#NUM!」

 「#NUM!」は、数式中の関数や数値に問題があるときや、入力された数値がExcelで扱える範囲を超えているときにセルに表示されるエラー値です。

 ここでは、得点表からトップスリーを抽出する例で考えてみましょう。セルF4に「#NUM!」(①)と表示されています。

 このセルには本来、指定したセル範囲(セルB4からセルB9まで)の中で3番目に大きい数値を表示するための「=LARGE(B4:B9,3)」という数式を入力するつもりでした。しかし、実際には最後の数値が「3」ではなく「13」、つまり数式としては「=LARGE(B4:B9,13)」(②)と誤ったものが入力されてしまっています。

 この「13」は範囲内に存在する数値の数(ここでは、6人分の得点が入力されているため、最大値は6)を超えているため、「#NUM!」のエラー値が表示されてしまったというわけです。

 エラー値「#NUM!」が表示されるのは、この例のように、数式に入力される関数や数値に問題がある場合がほとんどです。正しい数式を入力すれば、エラーが解消されて「#NUM!」は表示されなくなります。

数値が大きすぎる・小さすぎる場合にも表示される「#NUM!」

 エラー値「#NUM!」は、入力された数値がExcelで扱える範囲を超えるほど大きすぎたり小さすぎたりするときにも表示されます。

 ここでは、10の310乗を意味する数式「=10^310」(①)を入力した例を見てみましょう。セルA1に「#NUM!」(②)と表示されています。

 次に、マイナス10の310乗を意味する数式「=-10^310」(③)の例を見てみましょう。同様にセルA1に「#NUM!」(④)と表示されています。

 普段Excelを使っている中でここまで大きい数値や小さい数値を扱うことはまれだと思いますので、エラー値「#NUM!」が表示されたときは、数式や参照先が間違っている可能性を疑って再確認するといいでしょう。

エラー値が出たら数式や参照先をチェックしよう

 今回紹介した「#DIV/0!」や「#NUM!」は、関数を使わないシンプルな数式であっても、凡ミスで頻繁に表示されてしまうエラー値です。

 「#DIV/0!」や「#NUM!」が表示された場合は、「0で割っていないかな?」「ありえない数値が数式に入っていないかな?」「数式の参照先が間違っていないかな」などと落ち着いて原因を探りましょう。

 たいていの場合はセルに入力されている数値や数式をもう一度見直せば解決できますよ。