いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】勤務時間が実働合計と計算が合わず短いのはなぜ!? エクセルで合計時間を正しく表示するテクニック

 Excel(エクセル)は、仕事や普段の生活で使う機会の多い、最も身近なアプリケーションのひとつです。しかし、「イマイチよくわからないまま使っている」「実は少し苦手……」という人も多いのではないでしょうか? この連載では、いまさら人に聞けないけど、知っていれば必ず役に立つ、Excelを使いこなすためのノウハウを紹介します。

既定の書式設定では24時間超の合計が正しく表示されない

 Excelによる勤務時間の管理は、決して難しいものではありません。例えば、毎日の出勤時刻と退勤時刻から計算した1日の勤務時間を1週間分合計すれば、その週の勤務時間の合計を求めることができます。セルに入力する数式に、複雑な関数は必要ありません。

 しかし、セルに正しい数式を入力しても、そのままだと時間の合計が24時間以上になったときに正しい値が表示されないという不具合が起こります。

 例として、1週間分の勤務時間を合計する欄のあるタイムシートを作成してみました。

 E列に表示される勤務時間を合計すると1週間分の勤務時間が求められるはずなので、セルG1には数式「=SUM(E3:E9)」(①)と入力しています。ところが、計算結果は「16:51」(②)と表示されてしまいました。これは、実働時間に比べて明らかに短い時間ですね。

 では、1週間分の勤務時間の合計として正しい値が表示されるようにするには、どうすればよいのでしょうか?

 今回は、この例のように24時間を超える時間の合計を正しく表示するためのテクニックを解説します。

セルの書式設定を変更すれば時間の合計を正しく表示できる

 勤務時間の合計が正しく表示されていないタイムシートを修正し、正しい値が表示されるようにしましょう。

 先ほどのタイムシートの例でセルG1(①)をクリックしたあと、リボンの[ホーム]タブの[数値]グループの右下に表示されている矢印のアイコン(②)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されるので、[表示形式]タブ(③)の[分類]にある[ユーザー定義](④)をクリックします。

 [種類]に表示されている「h:mm」を「[h]:mm」(⑤)(すべて半角文字)に修正し、[OK](⑥)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 この操作によってセルの表示形式が変更され、セルG1に1週間分の勤務時間の合計が「40:51」(⑦)と正しく表示されるようになります。

 Excelでは、時刻の表示形式で入力されている数値を単純に合計すると、合計を表示するセルの表示形式が自動的に変更され、結果は24時間制の時刻として表示されます。
 そのため、24時間未満の時間を表示する場合にはそのままでも問題ないのですが、24時間を超えた総経過時間を表示したい場合は、今回の例のように「[h]:mm」という表示形式を設定する必要があるのです。

求める結果が表示されないときは表示形式を変えてみよう

 今回は、24時間を超える時間の合計を正しく表示するために、セルの書式設定を「[h]:mm」に変更するテクニックを解説しました。

 タイムシートの例のように、セルに正しい数式が入力されていても、自分が求める結果と違うものが表示されてしまう場合があります。このようなときは、セルの表示形式を変更すれば正しい結果が表示されるということもあります。ぜひ、いろいろな表示形式を試してみてください。

 また、正しい数式がセルに入力されているとエラーが表示されないので、求める結果と違うものが表示されていることに気づかない恐れもあります。資料を作成したら、最後にもう一度、目視で振り返る余裕を持つことも大切です。