いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】簡単に「30分」→「0.5時間」や「1.5時間」→「90分」の換算をするテク

「30分」を「0.5時間」に、あるいは「1.5時間」を「90分」に換算するとき、つい暗算していませんか?

単純な掛け算とセルの表示形式で換算可能

 エクセルの時間計算が意外と面倒に感じることはありませんか? 「時」と「分」の扱いがややこしくて、つい暗算して入力してしまう人も多いでしょう。

 新年度になると、勤怠表の管理やアルバイトの時給計算などの慣れない作業が発生しますよね。新入社員は、作業内容と時間を記載した日報を提出するように言われることもあるでしょう。

 今回は「分」から「時間」と、「時間」から「分」への換算方法をおさらいしておきましょう。といっても、関数や難しい数式を駆使する必要はありません。単純な掛け算とセルの表示形式で処理できます。

作業時間を「1.5時間」や「90分」などとしたい時に直接入力する必要はありません

時間単位への換算は「24」を掛けるだけ

 朝から夕方までの作業について、ある作業にかかった時間を「1.5時間」として表示することを考えます。作業の開始と終了の時刻から作業時間を計算する際は単純に引き算するでしょう。

 しかし、開始時刻を「9:00」のように入力した場合、エクセルは時刻が入力されたと判断するため、例えば「9:00~10:00」の作業なら「1:00」のような結果になります。さらに表示形式も自動的に「h:mm」に変換されてしまいます。

 求めているのは「1時間」を示す「1」であり、「1:00」ではありませんよね。「○時間」への換算は「24」を掛けます。その後、表示形式を[標準]に戻せばOKです。

 「24」を掛ける理由は、エクセルでは日付や時間を「シリアル値」と呼ばれる数値で管理しているからです。実は「1900年1月1日」を「1」として扱い、1日経つごとに「1」を加算しています。1日=「1」なので、1時間は「1」÷「24」です。つまり、「24」を掛ければ“時間単位”に換算できるわけです。

 なお、「2025/4/1」は「45748」です。試しに「2025/4/1」と入力して、セルの表示形式を[標準]に設定すると確認できます。

作業の開始時刻から完了時刻を引く(①)と「1:00」のように表示されます(②)。自動的に表示形式が「h:mm」に変換されるためです。特に気にしなくて大丈夫です
セルC2の数式を「=(B2-A2)*24」と修正します(③)。時間換算するために「24」を掛けています
修正した数式をコピーしておきます(④)。[ホーム]タブ(⑤)の[数値]グループにある書式一覧から[標準](⑥)を選択します
時間換算した値が表示されます。桁数を揃えるために[小数点以下の桁数を増やす](⑦)をクリックします
「○時間」の表示に変換できました

分単位の変換は表示形式で制御できる

 「90分」のような分単位への変換は、引き算で求めた「1:00」といったセルの表示形式を変更するだけです。他にも方法はありますが、これが最も手っ取り早い方法です。

完了時刻から開始時刻を引いた値を求めておきます(⑨)。[Ctrl]+[1]キーを押します(⑩)
表示形式は[ユーザー定義]が選択され、「h:mm」となっていることがわかります(⑪)
「[mm]」と修正すると(⑫)、[サンプル]に「60」(⑬)と表示されます。「[」と「]」は半角で入力してください。[OK](⑭)をクリックします
「○分」の表示に変換できました