#モリトーク

第97話

TweetDeckのよいところ、不満なところ

 前回の第96話では、サードパーティ製Twitterクライアントの終焉が近付いていること、Windows用Twitter公式クライアント「TweetDeck」を試す時期であることについてまとめた。今回は引き続き、「TweetDeck」の使い勝手を具体的に探ってみたい。「TweetDeck」がマルチカラムに対応するため、機能的に近い「Janetter」を比較対象とする。

 まず、マルチカラムについて復習しよう。マルチカラムは、ホームやリストなどのタイムラインを同時に並べて表示できる機能であり、デスクトップ環境でTwitterを利用するときに、もっとも有効な機能のひとつだと言える。そのマルチカラムは情報量を何倍にも増やすため、フォロー数が多いユーザーにオススメだ。そして、「TweetDeck」のマルチカラムは「Janetter」のそれと比べると、自由度がとても高い。

 たとえば、「Janetter」のカラムで表示可能なタイムラインはホーム、メンション、ダイレクトメッセージ、リスト、検索結果の5種類。一方の「TweetDeck」では同5種に加えて、Twitter公式サイトに実装されている“Interactions”および“Activity”、自分と他ユーザーのプロフィールページ、他ユーザーのホームタイムラインなどもカラムとして表示できる。さらに、同じタイムラインをいくつでも追加することが可能であり、これが重要なポイントだ。

 「TweetDeck」のフィルター機能は、ソフト全体で働く「Janetter」のそれと違い、カラム単位の設定に対応している。そのため、自由度の高いマルチカラムと多彩なフィルター機能を組み合わせれば、画像・動画限定のホームや、特定ユーザーからのメンションなど、さまざまなタイムラインを生成できる。

自由度の高いマルチカラムと多彩なフィルター機能が強力な「TweetDeck」

 もちろん、不満な点もある。「TweetDeck」のマルチカラムはこれだけ強力なのに、カラムの幅が3段階で固定されているのだ。その結果、シングルカラムやダブルカラムで「TweetDeck」を利用したときの情報量が一定ラインで頭打ちになるため、それ以上を望む場合はカラムを追加しなければならない。さらに、未読関連の機能が貧弱なほか、Twitterと併用することが多い“Instagram”の画像プレビューにも対応していない。

“en-US.pak”をリネームすることで文字化けを回避

 また、表示フォントを任意に指定できないことも不満点のひとつ。これには弊害も見られ、単体アプリケーション版の「TweetDeck」では環境によって文字化けが発生するようだ。その文字化けとは、日本語の漢字が中国語フォントで表示されるという現象であり、公式な解決方法は今のところ案内されていないので、非公式の解決策をここで紹介しよう。

 「TweetDeck」のインストールフォルダを開き、“locales”フォルダ内にあるファイル“en-US.pak”を「TweetDeck」が読み込めないようにすると、日本語の漢字が正常に表示される。あくまで自己責任となるので、当該ファイルをすぐに復元できるよう、わかりやすい場所への移動、元の名前を忘れない程度のリネームに留めておこう。

(中井 浩晶)