#モリトーク

第127話

SourceForgeとGIMPのバンドル論争

「GIMP for Windows」

 先月末、オープンソースソフトウェア向けライブラリサイト“SourceForge”で公開されている「GIMP for Windows」が同サイトの権限によって、サードパーティー製ソフトをバンドルする形へと差し替えられた。その後、「GIMP for Windows」の開発グループがそれを無断行為として非難すると、“SourceForge”は大本の方針も含めて撤回。

 そもそもなぜ、“SourceForge”で公開中のソフトに、いわゆる“アドウェア”がバンドルされる事態となったのか、改めて復習しておきたい。

“DevShare”を導入している「FileZilla」

 “SourceForge”は2013年7月、サードパーティー製ソフトのバンドルを提供するサービス“DevShare”のベータ版を開始した。同サービスを導入した開発者と“SourceForge”が同時に広告収入を得る仕組みであり、「GIMP for Windows」にはこれが適用されたことになる。

 “DevShare”でバンドルされるサードパーティー製ソフトのインストールは強制されず、そのアンインストールも容易であり、Google社が定義する有害なプログラムに該当しない健全な仕組みとしている。同サイトのプロジェクトページに表示されてしまっている偽装広告を排除するための準備でもあるようだ。

 一方、つい最近まで“SourceForge”の日本語版サービスだった“OSDN”は、今回の一件と無関係であることを強調。また、条件を満たすアドウェアのバンドルは容認しているものの、最善の収益手段ではないと説明している。

 “OSDN”が“SourceForge”から独立するときに発表したプレスリリースによれば、“SourceForge”の方向性に同意できなくなったとのこと。“OSDN”の運営方針は『全てのオープンソースとITを中心としてテクノロジーを愛するコミュニティに寄り添う』というものであり、方向性の違いとは“DevShare”のことを指しているのかもしれない。

(中井 浩晶)