【第444回】
大ボリュームの落ちものパズルゲーム「時空五行風水大戦」
豊富なモードと高度なルールで楽しむ本格派パズル
(11/03/25)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、シンプルな操作ながらよく練り込まれたルールをもつ、本格的な落ちものパズルゲーム「時空五行風水大戦」を紹介しよう。
さまざまな稼ぎ要素が満載の落ちものパズルゲーム
「時空五行風水大戦」は、フィールドに敷き詰められた土、金、木、水、火の5種類のブロックを、菱形状に並べることで消していくパズルゲーム。フィールドは正方形のマスが1行ごとに半ブロック分ずつズレて配置されており、これにより上下に隣接する2ブロックとその両隣のブロックが菱形状となる仕組みだ。
ゲームモードはメインの“STORY”、エンドレスプレイや2P対戦、練習モードのある“ARCADE”、詰め将棋のように指定された操作回数でクリアする“PUZZLE”、操作やゲームのルールを学ぶ“LESSON”、おまけの“EXTRA”と充実している。
基本操作は、カーソルキーで菱形状のカーソルを上下左右に移動させ、[A][S]キーでカーソル内の4つのブロックを左右に回転させる。基本的なブロックの消し方は、同種のブロック4つを菱形状に並べること。ブロックが消えると空いたスペースに上のブロックが詰まるとともに、画面の上から新たなブロックが落ちてくる。
一方、時間経過とともにフィールドの底が徐々にせり上がってフィールドが狭くなっていき、これが画面上まで達するとゲームオーバー。ブロックを消していけばせり上がりを押し戻すことができる。ステージのクリア条件はゲームモードによってさまざまなものが設定されている。
ブロックが消えるときは、菱形に隣接している同種のブロックも消える。これを“コンボ”といい、同時に消すブロックが多いほどボーナスが入るほか、フィールド上の同種ブロックすべてを一度に消すと“フル・コンボ”となり、より大きなボーナス点と大幅なフィールド押し戻しが可能となる。
また、ブロックの回転により2種類以上のブロックで同時に菱形を作って消すと“エレメンタル”というボーナスが発生。最大で3種同時消しも狙える。
さらに、ブロックを消すと“タイム・コンボ”という20秒間のボーナスタイムが発生し、この間に続けてブロックを消すと、“タイム・コンボ”ボーナスが入る。これが本作の主要な得点源のひとつとなっている。
そのほか、ブロックを消して空いたスペースに詰まったブロックが菱形に揃うと、いわゆる連鎖消しの“チェイン”が発生。これもボーナス点が入る要素で、“タイム・コンボ”と並ぶ稼ぎのポイントだ。
ボーナス要素はまだあり、一定数のブロックを消すと“風”ブロックが出現。これと“水”ブロック3つで菱形を作ると画面上の“水”ブロックが全消滅する。さらに“風”ブロックを使わずにいると“空”ブロックが出現。“空”ブロック1つに加えて同種のブロック3つで菱形を作ると、その種類のブロックが全消滅する。そして“空”と“風”を同時に消すと“爆風真空クリアー”となり、画面上のブロックが全部消えてより大きなボーナスが入る。これらのボーナス要素を駆使して、スコアを伸ばしていこう。また、ステージクリアの条件に、特定のボーナスの発生や、ボーナスによる特定値以上のスコア獲得が設定されているケースもある。
やり込み要素満載のストーリーモードは公称30時間の大ボリューム
まずはチュートリアル的なステージから順に進めていける“STORY”モードをプレイするといいだろう。このモードは主人公の女の子“A美”を操作し、すごろく状のマップに配置されたステージやショップなどを移動しながらプレイを進めていく。序盤のステージはブロックを消すだけでクリアできるものや、コンボ、フル・コンボ、エレメンタルなど本作の基本的な要素の達成をクリア条件としたものなどがあり、プレイを進めながら腕を磨いていける。
ストーリーは、ゲームの世界に入り込んだA美が開発者とゆるい掛け合いをしながらゲームを攻略していくというもの。パズルだけではなく、なぜか“レースゲーム”や“巻き藁斬り”といったさまざまなミニゲームも用意されていて、なかなか変化に富んだものとなっている。作者によるとプレイ時間は30時間という大ボリュームだが、進行に応じてグラフィックを閲覧する“MUSEUM”や開発秘話が見られる“MAKING”なども解放されていき、飽きずに楽しめるようになっている。
本作は海外で制作されたゲームで、英語タイトルは「Wind and Water: Puzzle Battles」。ゲーム上の表記はストーリーを含め大部分が日本語に翻訳されているので、プレイにはほぼ支障ない。コンボなどのボーナス獲得ルールはテクニカルなものが多いものの、基本操作はカーソル移動とブロックの回転だけなので、プレイしてみればすぐに慣れる。そこからのやり込み、上達の道は長いが奥深さは抜群で、若干ルールが変更される上級モードも含めると、これほどやり込めるパズルゲームは滅多にお目にかかれない。STORYモードでうまく上達へのガイドもされており、しっかりプレイを重ねればゲームの醍醐味である『うまくなっていく感覚』を味わえる。
パズルゲームはそこそこ数をこなしている筆者でも歯ごたえがあると感じたので、ある程度はパズルゲームの素養がある人向けだが、完成度は高い。パズル好きならぜひとも押さえておきたい一作だ。
- 【著作権者】
- Yuan Works Co. Ltd.
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows XPで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.05a(11/02/12)