【第449回】
脱出系ホラーアドベンチャーゲーム「BLACK LABO」
襲い来る“被験体”から隠れながら探索する恐怖を味わえ!
(11/05/20)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、惨劇が起きた研究所からの脱出を目指すホラーアドベンチャーゲーム「BLACK LABO」を紹介しよう。
真っ暗の研究所を一人で歩くだけでも怖い!
「BLACK LABO」は、突如惨劇に襲われた山中のとある研究所が舞台のホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、惨劇のなか生き残った研究員の一人となり、生きて研究所を脱出するのが目的だ。ゲームは2D見下ろし画面のフィールド探索型で、机や棚を探索して回復アイテムや鍵など脱出に必要な道具を集めながら先へ進むことになる。
真っ暗な研究所を懐中電灯などわずかな明かりで進む不安感、なぜか猛烈な勢いで襲ってくる“被験体”、それによって精神力やスタミナを失っていく主人公、少しずつ明らかになっていく研究と惨劇の真相と、とにかく恐怖をかき立てる要素が満載されている。それだけに、ちょっと移動するだけでもドキドキしっぱなし。それこそが本ゲームの醍醐味だ。
脱出にあたり、最大の難関となるのが主人公に襲いかかってくる被験体だ。被験体にぶつかると大きなダメージを受け、“死んだふり”の状態となる。死んだふりをしながら安全な場所へ移動して、回復アイテムを使用できればいいが、この状態が続いたり、被験体に再び見つかり触れられるとゲームオーバー。セーブした地点からの再プレイとなる仕組みだ。
操作方法は、カーソルキーで走る、[Z]キーで決定、[X]キーでメニューを開く、[W]キーで装備の切り替えおよび使用、左の[Shift]キーとカーソルキーの組み合わせで“消音移動”となる。操作でポイントとなるのは2つ。1つは装備の使用で、懐中電灯など一部のアイテムはメニューで装備した上に使用しないと効果がない。もう1つは消音移動で、これは歩く速度が下がるものの音を消しながらの移動が可能になり、被験体に見つかりにくくなる。
被験体から隠れ、アイテムを活用して進もう
ゲームを進める上で、まず重要となるのが明るさの確保だ。研究所はほとんどの場所が真っ暗。通常の状態では2歩先ほどしか見えない上に、アイテムの探索も行えない。明るさを確保する方法は、懐中電灯やジッポライターなど持ち歩ける光源を装備して使用すること。ただし、光源を持つと被験体に見つかりやすくなるデメリットも。さらに、懐中電灯ならバッテリーが、ジッポライターならオイルが切れると機能しなくなる。使いすぎには注意が必要だ。
次に重要なのがアイテムの活用だ。アイテムには上記の光源のほかに、研究所の秘密に迫る書類、ライフやスタミナ、精神力を回復するもの、扉を開けるための鍵などがあり、さらに複数のアイテムを組み合わせることで効果を発揮ものも。たとえば、角材とガムテープを組み合わせると骨折を回復させる“固定ギプス”に変化するといった具合だ。そのほか懐中電灯を使うにはバッテリーと組み合わせる必要があったりと、とにかくアイテムはほかのアイテムと組み合わせられるか試すことが大切だ。また、アイテムはわずかな数しか持つことができないため、複数のアイテムを保管できる棚などの収納場所を活用することも必要となる。
研究所の脱出を阻む被験体は、触れられるだけで大ピンチになるやっかいな存在。それだけに、いかに見つからないように行動するかが最重要だ。被験体は主人公が視界に入った場合のほか、物音を察知したり、数歩以内に近付くと気配を感じて向かってくる。被験体の行動パターンを観察すれば、視界と気配による察知は回避可能で、物音も消音移動で対応できるだろう。このほか、特定の部屋にあるアラームをセットして、その音で被験体を引きつけ、その隙に奥へ進むといったテクニックもアリ。とにかく、発見されないように細心の注意を払って移動することが大切だ。
なお、被験体は足音を立てて移動しているので、その音を聞くことで被験体の存在を確認できる。ただし、走っての移動中は被験体の足音を察知できず、スタミナも大きく減ってしまう。面倒でも消音移動を使うのが安全に進むコツだ。
もし、見つかった場合は大変だ。被験体の移動速度は主人公とほぼ同じなので逃げるのが難しく、逃げるほどスタミナが消費される上、触れられると出血や骨折といったステータス異常が起きて、死んだふり状態になる。死んだふり状態になると被験体は離れていくので、完全に立ち去ったらすばやく回復アイテムを使おう。そのまま放置しておくとライフが減っていき、ゲームオーバーとなってしまうためだ。
真っ暗な研究所を被験体の足音にビクビクしながらひっそりと進んでいく、その恐怖こそが本作の一番の面白さだ。恐れるあまりゆっくり移動しすぎると今度は懐中電灯の電池切れが心配になるなど、ドキドキさせる要素をうまく盛り込んでいるのがナイス。ただし、全体を通しての難易度は非常に高めで、最初は被験体にアッサリとやられてしまうことも多い。そのため、作者のWebサイトでは難易度を下げた“セーフティ版”も公開されている。まずはセーフティ版でゲームに慣れてから、通常版をプレイするのもいいだろう。
- 【著作権者】
- XyliShoot 氏
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.23(11/04/13)