Windows Insider Preview

「MIDI」デバイスに必要なもの一式をつめた「Windows MIDI Services」、単体リリース

Dev/Betaチャネルでテスト可能、今後数カ月のうちに製品版Windowsにも展開

 このコーナーでは、「Windows 11 Insider Preview」ビルドでテストされている最新のOS機能を紹介します。ただし、テストの結果、紹介した機能が製品版OSに搭載されないこともあります。あらかじめご留意ください。

「Windows MIDI Services」がリリース、プレビュー版「Windows 11」で試用可能。今後数カ月のうちに製品版Windowsにも展開

 米Microsoftは12月5日(現地時間)、「Windows MIDI Services」の製品リリースを発表した。同日Dev/Betaチャネルでリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 26220.7344(KB5070316)でのテストを経て、今後数カ月のうちに製品版Windowsにも展開される。

 「Windows MIDI Services」は、多くの電子音楽機器でサポートされている「MIDI」をWindowsで扱うために必要なドライバー、Windows サービス、ランタイム、ツール、ソフトウェア開発キット(SDK)をまとめたもの。今年2月からCanaryチャネルでプレビューされていた。

 「Windows MIDI Services」があれば、MIDI機器のドライバーを別途インストールする必要はない。基本的に同梱(インボックス)のドライバーですべての機器が動作するので、ユーザーはサードパーティー製のドライバーを探して、ダウンロード・インストールしなくてよくなる。最新の「MIDI 2.0」規格への対応はもちろん、「WinMM」「WinRT MIDI 1.0 API」といった古いAPIとの後方互換性も確保しているので、新しいデバイスも手持ちの古いデバイスも、使い慣れたアプリもそのまま利用できる。

 それでいながら、設計がモダナイズされているのもポイント。既定でマルチクライアント対応となっており、複数のアプリで同時に同じMIDI機器を利用できる。古いAPIに比べてメッセージの送受信もはるかに速くなっており、ジッター(メッセージが到着する時間ばらつき)も少ない。メッセージにはタイムスタンプが付くので、処理が前後してしまうこともない。

 そのほかにも、「PowerShell」を用いたMIDIスクリプトが組み込みでサポートされる。ミキサー間の同期を自動化したり、すべてのデバイスを初期化したりといった処理をスクリプトで行えるようになる。また、コンソールモニターやGUIの設定アプリも提供される。

 なお、「Windows MIDI Services」はOSには含まれない。「GitHub」などからダウンロードし、手動でインストールする必要がある。現時点ではまだデジタル署名されていないため、インストールの際は警告が表示される点には注意したい。

「GitHub」などから「Windows MIDI Services」をダウンロードし、インストール
「.NET 10」などが必要だが、自動でインストールされるため、ユーザー側での操作は不要だ
インストール後は、OSの再起動が必要
MIDIサービスの起動
コンソールモニター
GUIの設定アプリ「Windows MIDI and Musician Settings」(プレビュー)