レビュー
テキストに書いたコード進行を演奏・MIDIファイルとして出力できる「TexChord 2」
多彩なコードと表記に対応。有償版ではテキスト上での移調も可能
2021年5月17日 16:05
「TexChord 2 Free」は、テキストに書かれたコード進行を演奏・MIDIファイルとして出力できるソフト。64bit版のWindows/macOSに対応するフリーソフトで、Windows版はWindows 7/8/10、macOS版はmacOS 10.13以降に対応している。作者Webサイトからダウンロードできる。
既存の曲をコピーする時や作曲をする時、コード進行をメモすることは多い。一昔前であれば紙にメモして、それをギターや鍵盤で弾いてみて音を確認するといった手順を踏んでいたが、今では紙ではなくテキストでコード進行をメモし、DAWにコードに従って音を入力し、確認するといったケースの方が多いだろう。
「TexChord 2 Free」なら、テキストとしてメモしたコード進行を、何の加工もせずに演奏させて音を確認できるだけでなく、MIDIファイルとして出力できる。さらに、画面右下にある[Export MIDI]ボタンをドラッグし、DAWにドロップするだけでMIDI情報を貼り付けることができる。
「sus」「dim」「aug」といったコードはもちろんのこと、テンションコードやオンコード、オミットといった複雑なコードもサポート。さらに、多彩な表記に対応しており、例えばディミニッシュであれば「dim」「○」「°」、ハーフディミニッシュであれば「m7-5」「∅」「φ」といった表記が使える。自分の書きなれた表記を使えるほか、過去にテキストにしたコード進行も加工せずに取り込むことが可能だ。
演奏・MIDI出力機能では、コードの刻み方を全音符~16分音符に設定できるほか、裏打ちのみにすることが可能。ベース音を鳴らすことも可能で、コードと同じ刻み方に加えオクターブを上下するパターンを使用できる。テキストで休符や音を伸ばすことを表現可能なので、ある程度バッキングを仕上げることが可能だ。
有償版となる「TexChord 2」(税込み1,000円)では、「C」「Dm」「G7」といった階名表記に加え、ギリシャ文字・アルファベット・数字による度数表記にも対応。Webサイトなどで公開されているコード進行の例をコピペして試すといった用途にも使える。
加えて、階名表記と度数表記を相互変換する機能を搭載。変換時にはあらかじめキーを指定する仕組みで、この機能を応用すればテキストに書いたコード進行を移調できる。つまり、階名表記のコード進行をいったん度数表記に変換し、元とは別のキーを指定して階名表記に再変換すれば、移調が完了するというわけだ。管楽器やボーカルに合わせてコードを移調する作業は案外手間がかかるので、この機能は演奏者にとってありがたい。
ソフトウェア情報
- 「TexChord 2 Free」
- 【著作権者】
- M'z Koo-boo 氏
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows 7/8/10およびmacOS 10.13以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(フル機能を備えた有償版は税込み1,000円)
- 【バージョン】
- 2.0.1(21/03/26)