週末ゲーム

第529回

天空に浮かぶ城を目指す2Dアクションゲーム「天空のメカニカ」

二段ジャンプや敵弾を活かして高難易度を突破せよ!

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、アクションを駆使して高難易度なマップを乗り越えていくのがアツいアクションゲーム「天空のメカニカ」を紹介しよう。

ミスを繰り返してうまくなる快感

天空の城メカニカへ戻るための道を探すことに

 「天空のメカニカ」は、天空に浮かぶ城“メカニカ”から落とされたロボットのような種族“メカニアン”となり、城へ戻るためさまざまなアクションを駆使して進んでいくアクションゲーム。基本はオーソドックスなサイドビューの2Dアクションで、その最大の魅力はシビアな操作とひらめきが求められる難易度の高さだ。

 二段ジャンプ、壁をキックしての跳躍、敵弾をキャッチして投げるといった豊富なアクションに加え、スイッチを押すことで変化する場所を把握するといった頭を使う仕掛けもある。マップは広大で、どこで何をすれば先に進めるようになるのか、どのタイミングでジャンプをすればいいのか悩み、それを突破できたときの快感こそがこのゲーム一番の醍醐味だ。

アイテムを取ることで、二段ジャンプなどアクションが増えていく

 このゲームは、海外で人気のインディーズゲーム「Celestial Mechanica」を日本語化したもので、ゲーム配信サイト“PLAYISM”で公開されている。執筆時現在は無償でダウンロード可能だ。「Celestial Mechanica」の公式サイトではオリジナルの英語版もダウンロードできる。

 ゲームの基本は、マップ内の仕掛けを解きながら先に進んでいくというもの。最初はジャンプすらできないが、メカニアンをアップグレートできるアイテムを入手することで、ジャンプ、特定ブロックを押して動かす、空中をホバリングしてゆっくり降りる……といったアクションを増やしていける。

現在どこのエリアにいるかは[Enter]キーで確認が可能だ

 また、このゲームはひとつの大きなマップで構成されており、それがゲーム画面2つ分程度の細かなエリアごとに分かれている。上下左右いずれかの画面外に出れば、隣のエリアへ移動となる作りだ。現在地については[Enter]キーで呼び出せるマップで確認が可能となっている。

 敵や敵弾に触れると赤く点滅状態となり、その状態でさらに敵や敵弾に触れるとミス。溶岩や水といった場所に落ちてもミスとなる。とにかくミスになる場所が多く、初めて到達したエリアでは数秒でミスになることも珍しくない。それほどの難易度だが、ミスをしてもペナルティはなく、エリアの最初に戻るだけ。ひとつのエリアは非常に狭いので、簡単に何度も挑戦できるようになっている。

新しく入手したアクションの活用が先に進むカギ

道を塞ぐ敵をどうすれば倒せるのか、悩むのも面白さのひとつ
連続してシビアなタイミングが求められるエリアはミスを重ねて練習あるのみ

 ゲームを進めていくと入手できるさまざまなアップグレードアイテムの活用が、先に進むための大きなポイントだ。二段ジャンプを手に入れれば、通常のジャンプよりも高い場所に行けるようになり、探索できる場所が増える。ホバリングを手に入れれば、さらに離れた足場まで行けるようになる。敵弾を掴めるようになれば、それを使って通路を塞いでいる敵を倒せる……といった具合だ。

 また、重要なのが何度もチャレンジすることだ。ミスしてもエリアの最初からすぐにやり直せるとはいえ、場所によってはジャンプのタイミングや位置など、シビアな操作を何度も求められる。諦めたくなるが、ミスを何度か重ねれば自然とクリアするために必要な位置やタイミングを覚えられるだろう。すると、難しい場所も面白いようにスイスイ突破が可能だ。自分の腕が確実にアップしたのが実感できるのは、かなりの快感と言える。

 仕掛けに関しては、ちょっといじわるな箇所もある。たとえば、とある場所では奥まで進んでスイッチを押すと、先に進むための変化が起きる。しかし、そこから変化が起きた場所へ移動する途中に、その変化を元に戻してしまうスイッチがあったりと、どこを押せばどう変化するのか少々わかりにくいことも。正解を色々と探るのも楽しみのひとつなので、そこはじっくりと探索したい。移動スピードが速いので、あちこち移動するのはそれほど苦にならないハズだ。

 シンプルながら丁寧に描かれたドット絵や主張しすぎない美しいBGMは完成度が高く、エリアによって雰囲気が大きく変わるため、先にはどのようなエリアが待ち構えているのかワクワクする。難易度は高いがすぐにやり直せるシステムのため、それほどイライラせずにプレイできるだろう。

マップ内にはちょっとした隠し要素も

 ゲームのボリュームは、アクションゲームに慣れた人ならば2時間以内にはクリアできる程度。突き詰めれば20分程度でのクリアも不可能ではない。クリアまでの時間とミスした回数が記録されるので、どこまでクリアタイムを短くできるのか挑戦するのも楽しいだろう。2Dアクションが好きなら満足できる1本だ。

ソフトウェア情報

「天空のメカニカ」
【著作権者】
Roger Hicks 氏、Paul Veer 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

(芹澤 正芳)