週末ゲーム
第591回
強いユニットだけに頼れない。倒した敵の装備を奪い軍団を強化するSRPG「反乱軍記2」
装備の組み合わせでユニットのクラスが変わるシステムと、人々の思惑が入り乱れる物語も特徴
(2015/3/20 06:00)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、シミュレーションRPG「反乱軍記2」を紹介しよう。
本作は2007年に公開された「反乱軍記」の続編にあたる作品となっているものの、物語の背景は作中にて説明されるもので十分に理解できるものとなっている。前作未プレイの筆者としても、スムーズに遊ぶことができた。
マップに応じてユニットの“クラス”を切り替え、戦場を攻略しよう!
本作「反乱軍記2」は、コンシューマーの名作シミュレーションRPGである「ファイアーエムブレム」シリーズのように、マス目で構成されたマップ上でユニットを操作し、敵軍を倒して攻略を行う作品だ。
物語は、日々の生活のために盗賊として暮らしていた少年“レオ”と“リオ”が、世界の大国である“新生帝国”の砦に忍び込もうとする所から始まる。砦にて、2人は運悪く帝国兵に見つかってしまい、追われる身となってしまう。そこに、圧制を行っていたかつての“旧帝国”を打倒した“反乱軍”のリーダーである“ジャスタ”が現れる……。というのが、本作序盤の流れとなる。
本作の基本的な進め方としては、章単位で区切られているマップをひとつずつクリアする形で進んでいく。シミュレーションRPGによく見られる、マップごとのユニット編成画面などは存在せず、仲間となるユニットは基本的に全員が出撃。それぞれのマップごとに定められた勝利条件を達成することで、章のクリアとなる。
特徴は、敵を倒すと使用していた“武器”や“装備”をマップ上に落とすシステムだ。攻撃手段となる“武器”は一人のユニットにつき最大4つまで、特殊なアイテムである“装備”は1つのみ持つことが可能となっている。武器などが売られている店などはこのゲームには存在せず、必要なアイテムの入手方法は基本的に敵を倒すか、マップ上に存在する村へ訪問して武器や装備をもらうのみとなる。
マップの中には複数の軍団が入り乱れての戦いとなるものもあるため、自軍の天敵となる強敵の軍団との対峙を同盟軍に任せ、自分たちはアイテムの回収に注力する……といった形で、漁夫の利を得つつ攻略することも可能だ。
加えてもう一つの特徴的な要素は、ユニットの職業を表す剣士、魔導師、騎士……などの“クラス”の概念だ。本作では、これはユニットによって固定されるものではなく、“武器”と“装備”によって自在に変えることのできるものとなっている。各ユニットは基本的に、あらゆる武器を使用することができ、使用する武器と装備によってクラスが決まる。
たとえば“鉄の剣”を使用武器にすると剣士である“ソードファイター”となる。そこで風の魔道書の“ウインド”を使用武器に変更すると、打って変わって魔導師の職業である“ウインドマージ”となる。そこでさらに装備である“馬”をセットすると移動力の大幅に上がった騎馬兵である“ウインドホース”となる。……といったように、ユニットごとの役割であるクラスが固有のものではなく、アイテムによって随時切り替わっていくのは特徴的なポイントだ。
強いユニットだけに頼れない“体力”の要素、そして本作の攻略のコツを紹介
次に重要なのがユニットのもつ“体力”だ。これは100%が最大値で、攻撃や回避、移動などの行動を行うと少しずつ減っていく。これが0%になってしまうと、あらゆる能力値が0になった上、体力が100%に回復するまで行動不能となる“睡眠”状態となってしまう。こうなってしまうと、どんなに強いユニットでも容易に倒されてしまう。
そのため“睡眠”コマンドで、体力が0%になる前に自主的に睡眠状態となることが重要だ。睡眠状態では1ターンに約30%ほどの体力が回復するので、周囲に敵がいない状況で適度に睡眠をとるとよい。この要素のため、本作では一人の強力なユニットだけに頼り続けることができず、複数のユニットを上手く使い分けることが必要になってくる。
ここからは、このゲームの攻略のコツも少し紹介しよう。本作はユニットのクラスを自由に変えることができるため、マップの構造や敵の編成に応じてクラスを即席で組み替えていくことが鍵となる。クラスにはそれぞれ、“ホース”クラスは剣に弱く、“ドラゴン”クラスは弓に弱い、など弱点となる武器があるため、相手の武器を確認しながら相性の良いユニットで攻略していくことが重要だ。
なお、武器や装備については、ユニットが持っておく以外に保管の術がない。そのため、次章以降のマップを考慮し、どの武器や装備を入手すべきか?そのために、いま持っているどの武器を捨てるか?ということを考えるのも軍団編成の醍醐味となっている。たとえば、機動力に優れる馬を全員が装備していると、馬で移動が制限される城内の戦場では不利となり、また弱点となる武器も同じとなってしまう。そのため、ひとつのクラスにつき2~3人で編成してバランスを取る、という編成にするのも有効だろう。
他にも武器については、ユニットのレベルアップ時に上昇する能力値がその時の使用武器によって変わってくるなど、ユニットの育成にも影響を与えるものとなっている。ユニットごとのパラメーターを考慮し、適切な武器を使用してレベルを上げていこう。装備に関しても、後半になるほどさまざまなものが出てくるが、とくに離れた場所へ一瞬で移動できるようになる“ワープ”が使えるようになる装備は、戦術の幅が大きく広がるため、ぜひ手に入れておきたい。
このゲームは3つの難易度に分かれており、それぞれの難易度で敵の強さやシステムの一部が変わるものとなっている。たとえば“Normal”と“Hard”の難易度では、キャラクターが倒された場合、持ち物が失われるものの次のマップでは復活する。一方“Nightmare”の場合、倒されたキャラクターは復活しない。筆者は難易度Normalにてクリアしたが、本作はなかなか挑戦しがいのある作品となっているので、初プレイはひとまずNormalでのプレイをオススメしたい。
これら難易度によるシステムの違いは、ゲームに同梱されているHTMLの説明書に詳細が記載されているので、こちらも読んでみてほしい。また、同じく説明書には8章までの序盤マップの紹介や、攻略の短評が掲載されている。攻略に悩んだときは参照してみよう。
戦いの果てに待つものは……少年レオの辿る運命やいかに
本作は、その特徴的なシステムももちろんだが、物語の内容も見逃せないものとなっている。ジャスタの率いる軍に助けられたレオたちは再び放浪の旅を送るが、その途上にてレオたちの住む村の女の子である“ティラ”と再会したことをきっかけに、帝国との戦いに巻き込まれてしまう。そんなレオたちが相手とする帝国軍に控えるのは“帝国四棋”と呼ばれる強力な将軍たち。レオの住んでいた村を襲撃した銀将“ツヴァイ”。そして、帝国最強を誇る龍将“ミカエル”……。などなど、さまざまな強敵がレオたちに立ちはだかる。
かつて圧制を行っていた旧帝国が反乱軍により打ち倒され、新生帝国が設立されたこの世界。しかし未だ平和は訪れず、帝国との戦闘を続けているジャスタたち。この状況が表す“矛盾”とは……。
世界が不穏な動きを見せる中、レオは否応なく戦いに巻き込まれていく。彼の進む先には何が待つのか……。シミュレーションRPGとして特徴的なシステムと、さまざまな人物の思惑が入り乱れる物語が展開される本作。ぜひともプレイして結末を見届けてほしい。
ソフトウェア情報
- 「反乱軍記2」
- 【著作権者】
- MAKA 氏
- 【対応OS】
- Windows 7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.335(15/03/07)