週末ゲーム
第631回:“武器”は、あなたの願いを叶えますか?鍛冶屋経営&戦略SLG「武器に願いを2」
第631回:“武器”は、あなたの願いを叶えますか?鍛冶屋経営&戦略SLG「武器に願いを2」
作って販売した武器が戦場で使われるシステムと、寡黙に語る物語が魅力
(2016/3/18 13:29)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ゲーム投稿イベント“ニコニコ自作ゲームフェス2016”にも投稿されている鍛冶屋経営&戦略シミュレーション「武器に願いを2」を紹介しよう。
寡黙な鍛冶屋の青年が辿った半生を描くSLG
本作は、戦争状態にある国で鍛冶屋を営む青年“マゴロク”と、彼を取り巻く人々の物語を描いたシミュレーションゲームだ。鍛冶屋を営むマゴロクは、並外れた鍛冶の技能を持っているものの、国の外からやってきた人間であること、そして戦争の道具である“武器”を売るという仕事ゆえに、国の人々から“死の商人”として疎まれていた。
そこに、同じく外国人である“スミノクラ”が訪ねてくる。スミノクラは、マゴロクの製作した武器が非常に優れていることを看破し、“同じ外国人同士なら助け合える、ここで働かせてほしい”とマゴロクに頼む。
鍛冶屋で働くことになったスミノクラとマゴロクのもとに、国防軍の“メルカ”や商業会議所の“ケイン”がやってくる。彼らは、戦争の続く中で国を守るため、国の軍隊が使う最重要武器の製作をマゴロクに頼みたいという。さまざまなことが戦争で変わっていく中で、その先にマゴロクが見るものは何なのだろうか。
販売した武器がそのまま戦場で使われるリアルタイムSLG
本作はステージクリア型の構成となっており、敵国との戦争が展開されるステージ攻略の後、マゴロクたちの物語が描かれる。ステージでは武器を製造する鍛冶屋パート、そして製造された武器が戦場へと渡り、敵国との戦いに使われる戦略パートに分かれる。ステージ内で、この2つのパートを交互に進めていくことが本作の特徴だ。
まず、鍛冶屋パートでは、職人ごとに製造を担当する武器を決める。武器には“剣”、“槍”、“斧”の3種類があり、職人それぞれに得意とする武器が決まっている。職人に担当させた武器が得意な武器であれば、製造スピードが速く、また製造された武器の攻撃力も高くなるなどの特性がある。製造する武器を選んだら、あとは時間の経過によって自動で武器が生産される。
画面中央の販売ウィンドウ内には、現在販売可能な武器が表示されており、武器のアイコンをクリックすると売ることができる。一度に販売する数も選ぶことができ、販売数がそのまま戦略パートの軍隊数となる。販売できる武器は時間経過で変化するので、売りたい武器が表示された機会を逃さずに売ろう。
販売された武器は、そのまま軍隊として戦場へと配置され、戦略パートで使用される。武器を販売すると1ターンが経過し、画面右の戦場ウィンドウで敵・味方共に自動的に行動が行なわれる。戦場はマス目で区切られており、配置した武器によって、たとえば“ロングソード”は1マス上に直進、“フランベルジェ”は斜め右上に1マス進む、など行動のパターンが決まっている。武器の行動パターンについては、ゲーム中にポーズをすることでいつでも確認することができる。
移動時に敵味方の武器がぶつかると、戦闘が開始される。戦闘については、基本的には武器の数が多い方が有利となるが、互いの武器の種類によって戦闘結果は変化する。そのため、敵の武器の種類と動きを見越し、武器の販売時に、戦場のどこに、いくつ武器を配置するか?ということを考えておくのがポイントだ。
移動した武器が戦場の最上部のマスを超えると、敵国への直接攻撃が行なえる。敵の武器を捌きつつ、敵国への直接ダメージを与え、HPを0にすることがステージの勝利条件となる。
ステージクリア後にはリザルト画面で、さまざまな効果を発揮するアイテムの購入や、獲得した経験値の職人への割り振りなどが行なえる。職人に経験値を割り振ってレベルアップさせると、武器の生産速度の上昇や、製作できる武器の増加などが行なえる。ここで準備を整え、次回のステージ攻略を有利に行なおう。
“武器”は、あなたの願いを叶えますか?
本作は、ゲームシステムと同じく、物語においても“武器”という存在が重要になっていく。物語が進むごとに、敵国との戦争状態は進展していき、武器が好きな孤独な鍛冶屋であったマゴロクの周りには次第に多くの人が集まる。その中には“平和を願う会”に所属する女性“アリス”の姿もあった。さまざまな人との出会い、そして続く戦乱の中で、マゴロクはある決断を迫られることになる。
ゲームクリアまでのプレイ時間は3~4時間ほどで、ゲーム開始時に3つの難易度を選択できる点から、シミュレーションゲームが苦手な人にもオススメできる作品となっている。本作のシステムに関しては、ゲームフォルダーに同梱されている“取扱説明書”にも情報がまとまっているので、そちらも参照してほしい。
本作は、鍛冶屋&戦略という特徴的なゲームシステムだけでなく、“武器は語らない動かない。武器はあなたに全てを委ねる”という作品のキャッチコピーからも感じられるように、派手さは薄いものの、“寡黙に語る”ストーリーが大きな見所と言える作品だ。ぜひともプレイしてみてほしい。
ソフトウェア情報
- 「武器に願いを2」
- 【著作権者】
- 世途紫都 氏
- 【対応OS】
- Windows(編集部にてWindows 7で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 1.00(15/12/23)