クリエイターが知らないと損する“権利や法律”
替え歌って面白い! けど
~第5章:先生……二次創作がしたいです~
2016年8月24日 07:20
オンラインソフト作者に限らず、あらゆるクリエイターが創作活動を続けるために、著作権をはじめとして知らないと損する法律や知識はたくさんある。本連載では、書籍『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の内容をほぼ丸ごと、三カ月間にわたって日替わりの連載形式で紹介。権利や法律にまつわる素朴な疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えする。
前回掲載した“好きな曲の歌詞を使いたい”の続きとして、今回は“替え歌って面白い! けど”というテーマを解説する。
替え歌って面白い! けど
じゃあ先生、替え歌を作ろうと思ったら、同じようにJASRACで許可を取ればいいんですね?
まず、許可が必要かは替え歌のスタイルによります。
仮に許可が必要なケースの場合、残念ながら、JASRACは翻案権・編曲権の委託を受けていないので、替え歌を作ろうと思ったら、作曲者や作詞家、音楽出版者などから直接許可をもらう必要があります。
ええっ!? そうなんだ……。
例えば、嘉門達夫さんの『替え唄メドレー』シリーズは、すべて個別に権利者から許可をもらっているそうですよ。
嘉門達夫さんによると『替え歌をリリースするとき、一番大変なのが関係各所に権利関係の許諾を取ること』なのだそうです。
※出典:THE PAGE『<私の恩人>嘉門達夫 名付け親は桑田佳祐さん 「サザン」の曲も好きに使っていいと許された』
あ、その話、聞いたことあります。
JASRACでは替え歌の許可が出せないのと同じように、著作権等管理事業者の方針や委託者の意向によって、権利の全面委託ではなく一部分だけを委託している場合があります。
公益社団法人日本文藝家協会や公益社団法人日本複製権センターなど、さまざまな著作権等管理事業者がありますが、事業者が委託されていない分野で利用しようと思ったら、著作者から直接許可をもらうしかありません。
※文化庁『著作権等管理事業者の登録状況』
ふえぇ……面倒くさい。
次回予告
今回の続きとして次回は“ガレージキットの当日版権って何”というテーマを解説する。
原著について
『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』
(原著:鷹野 凌、原著監修:福井 健策、イラスト:澤木 美土理)
クリエイターが創作活動するうえで、知らないと損する著作権をはじめとする法律や知識、ノウハウが盛りだくさん! “何が良くてダメなのか”“どうやって自分の身を守ればいいのか”“権利や法律って難しい”“著作権ってよくわからない”“そもそも著作権って何?”といった疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えします!