Inkscape独習ナビ!特別出張版
おしゃれカフェ宣伝チラシを制作する! 第2回(全5回):アーチ型のタイトル文字を作成しよう
テキストとパスを使ってチラシを作る
2016年11月15日 06:10
この集中連載は、無料で使える人気ベクターグラフィックソフト「Inkscape」の便利さと素晴らしさをより多くの人に知っていただくことを目的に始めました。ステップバイステップで見栄えのする作品を描いているうちに、自然と「Inkscape」の基本が習得できるようになります。具体的には、使いこなし方を解説する書籍『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の入門セクションから抜粋し、再編集した原稿を短期集中連載として、日替わりでみなさまにお届けします。なお、Windowsでの操作を前提に解説していますが、たとえばショートカットキーなどでMacの場合の操作を括弧書きで併記していますので、Macでも同じ要領で読み進められます。
おしゃれカフェ宣伝チラシの制作の流れ(全5回)
●サンプルファイルについて
『できるクリエイター Inkscape独習ナビ Windows&Mac対応』の公式サイトを開いて[ダウンロード]項目にある[Dekicre_inkscape.zip]をクリックしてダウンロードし、ファイルを展開しておきましょう。レッスン4で使用するデータは、展開後の[Dekicre_inkscape]-[Lesson]-[Lesson4]-[sozai]フォルダーにあります。なお、ダウンロードしたファイルに含まれているすべてのサンプルファイルは、記事を利用して「Inkscape」の操作を学習する目的以外の用途には、使用することができませんのでご注意ください。
第2回(全5回):アーチ型のタイトル文字を作成しよう
パスで作成した自由な形にテキストを沿わせることができます。なかでもよく使われるアーチ型でタイトルを作成し、影を追加して少し浮いたように仕上げて目立たせます。
1.テキストを入力して文字間隔を調整する
「レイヤー1」レイヤーに文字を入力します。
❶[レイヤー]ダイアログを表示して、「レイヤー1」レイヤーを選択します。
❷[テキストツール]を選択して、❸[ツールコントロールバー]で[中央揃え]をクリックします。
❹ドキュメント上をクリックして「Anniversary Fair!」と入力します。
テキストはサンプルファイルにも素材として用意しています。
【使用素材】
[Dekicre_Inkscape]-[Lesson]-[Lesson4]-[sozai]フォルダ
テキスト……[lesson4.txt]
❺[コマンドバー]の[フォントファミリ、フォントサイズ、その他テキストのプロパティの表示と選択]をクリックして、[テキストとフォント]ダイアログを表示します。
❻[フォント]を「Verdana」、[スタイル]を[Bold]にし、[フォントサイズ]を「60」に設定します。
❼[適用]をクリックして設定を反映します。
❽[デフォルトとして設定]をクリックします。
続けて同じフォントを使う場合はデフォルトに設定しておくと、以降は特に設定しなくても同じフォントになります。
次に、タイトル文字の間隔を狭く引き締め、アーチ型の曲線がより明確に見えるようにします。
❾[ツールコントロールバー]で[文字間隔]を「-2.5」に設定します。
❿ 文字にフォントやサイズ、字間が設定されました。
次に大文字の「A」と「F」だけフォントサイズを大きくしてメリハリを付けます。
⓫[テキストツール]で「A」をドラッグして1文字だけを選択します。
⓬[ツールコントロールバー]で[フォントサイズ]を「70」に設定します。
⓭ 同様に「F」も「70」に設定します。
⓮「Anniversary Fair!」すべてを選択します。
⓯[ステータスバー]で[フィル]のボックスを右クリックし、[白]をクリックします。
⓰文字の色が白になりました。
[選択ツール]でドラッグして上に移動しておきます。
【H i n t】テキスト全体を選択する
テキストにカーソルが表示されている状態からテキスト全体を選択したいときは、[Ctrl]([control])+[A]キーを押します。
2.文字を沿わせる曲線を作成する
アーチ型にする元の曲線を作成します。
❶[ペンツール]を選択して始点でクリックします。
❷[Ctrl]([control])キーを押しながら終点でダブルクリックします。
水平な直線が作成されました。
❸[選択ツール]で直線を選択して、[ツールコントロールバー]で、[X]を「2」、[Y]を「35」、[幅]を「206」に設定します。
❹横幅がA4より各2mm内側の中央に直線が作成されました。
❺[ノードツール]を選択して、線の部分(セグメント)をクリックします。
❻[ツールコントロールバー]で[新規ノードを選択セグメントに挿入]をクリックします。
線の中央に新たなノードが追加されます。
❼他のところをクリックして選択解除してから中央のノードだけをクリックして選択し、続いて[Ctrl]キーを押しながらハンドルを上方向に垂直にドラッグします。
作例と合わせるためにグラスの少し下あたりを目安にします。
❽[ツールコントロールバー]の[選択ノードの種類を対称に]をクリックします。
角が曲線に変わります。
❾表示されたハンドルを[Ctrl]([control])キーを押しながら、ノードとノードの中央あたりまでドラッグします。
曲線の形がなめらかに変わります。
3.文字を曲線に沿わせる
❶[選択ツール]で作成した曲線と文字の両方を選択します。
[テキスト]メニューの[テキストをパス上に配置]を選択します。
❷テキストが曲線に沿って配置されました。
❸いったん選択を解除してから曲線だけを選択し、ストロークを[塗りなし]にして曲線を透明にすると、アーチ型の文字だけが残ります。
【H i n t】パスに沿わせた後の調整
パスの長さより文字が長すぎた場合は、フォントサイズを小さくしたり、曲線を長くしたりするなどして、文字が全部表示されるように調整します。
4.文字に影を付ける
[選択ツール]を選択して、文字をクリックして選択します。
❶[フィルター]メニューの[光と影]-[影を落とす]をクリックします。
❷[オプション]で[ぼかし半径]を「6」に設定します。
❸ 他は初期状態のままで[水平オフセット]と[垂直オフセット]は「6」、❹[影のタイプ]は[外側]にします。
❺[適用]をクリックします。
❻文字に影がつきました。
❼カーブの間に「10.10(sun)〜10.17(sun)」という文字を配置し、影を付けます。
フォント設定はアーチ型の文字と同じ「Verdana Bold」で、サイズは「16」にします。フィルの色は帯と同じピンクにします。[影を落とす]ダイアログでは、[ぼかし半径]を「2」、[水平オフセット]と[垂直オフセット]は「2」とします。
次回予告
本記事“第2回:アーチ型のタイトル文字を作成しよう”の続きとして、明日は“第3回:麻布のような質感の文字を作成しよう”を掲載しますのでお楽しみに!