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無償のオフィススイート「ibisOffice」が登場、お絵描きアプリ「ibisPaint」の姉妹ソフト

高速動作と再現性の高さがウリ、「Rust」+「GPUI」で高速動作、7万ものテストで「MS Office」再現性を検証

お絵描きアプリ「ibisPaint」に姉妹ソフト、オフィススイート「ibisOffice」が無償公開

 お絵描きアプリ「ibisPaint」(アイビスペイント)で知られる(株)アイビスは10月12日、オフィススイート「ibisOffice」を公開した。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「AGPL-3.0」。


 「ibisOffice」は「Word」(.docx)、「Excel」(.xlsx)、「PowerPoint」(.pptx)のドキュメントを表示・編集・保存できるフリーのオフィススイート。同日公開の初版v0.8.0はmacOS専用だったが、続くv0.8.1ではWindows版(64bit)を追加。Webブラウザーで体験できるプレイグラウンドも用意されている。

「Word」(.docx)、「Excel」(.xlsx)、「PowerPoint」(.pptx)のドキュメントを表示・編集・保存できる

 特徴は、すべて「Rust」言語で書かれていること。UIフレームワークには高速なエディター「Zed」のために開発された「GPUI」を採用しており、Windows環境では「DirectX」、macOS環境では「Metal」、Webブラウザーでは「WebGPU」を介して、レンダリングにGPUを活用する。

 目標は「Microsoft Office」アプリで作成したドキュメントを開いても見た目が崩れないことだそうで、行の折り返しやページの区切り、表の罫線、グラフの目盛りまで、「Office」と同じ結果になるよう作られているという。これを支えるのは7万を超えるテストコードで、本物の「Word」「Excel」「PowerPoint」が書き出したPDFと「ibisOffice」の描画を画素単位で比べ続けることで実現されている。また、「ibisOffice」で保存したドキュメントを「Office」で修復なしに開けることも、テストで確かめているとのこと。

 現時点で対応している機能としては、以下が挙げられている。

  • 文書(.docx):段落とスタイル、箇条書きと段落番号、表、段組み、縦書き、ルビ、脚注、ヘッダーとフッター、フィールド(ページ番号・目次)、図形・画像・グラフ、ページ設定
  • 表計算(.xlsx):数式と関数の計算、条件付き書式、オートフィルター、並べ替え、テーブル、ピボットテーブル、グラフ、スパークライン、入力規則、シートの保護、ゴールシークなど
  • プレゼンテーション(.pptx):図形・テキスト・表・グラフ・SmartArtの表示と編集、アニメーション、画面切り替え、スライドショーと発表者ビュー(2画面対応)、動画・音声、コメント
  • マクロ付きのファイル(.docm/.xlsm/.pptm):開いて保存できる。マクロは実行せず、そのまま残す

 まだ未対応の機能も残されているが、今後の改善に期待したい。

 そのほかにも、動作が高速であることも本ソフトの特徴と言えるだろう。開発元が公表したベンチマークでは、ファイルを開いて最初の画面が表示されるまでの時間が「Microsoft Office」「LibreOffice」「ONLYOFFICE」のいずれよりも短かったという。22シート・29グラフ・58万9,000個の数式を含むExcelのブック(13.7MB)の場合、「ibisOffice」は0.52秒で、「Microsoft Office」は14.07秒、「LibreOffice」は6.82秒、「ONLYOFFICE」は9.36秒だった。

ファイルを開いて最初の画面が表示されるまでの時間の比較(開発元の公表より)

 お絵描きアプリの会社がなぜ突如オフィススイートを開発したのか不思議に感じられるが、同社はファイルの保存・共有サービス「ibisStorage」を提供しており、そこでオフィス文書をプレビューしたいというのがきっかけだったようだ。オンラインでのプレビューと編集を、速く、正確に、サーバーに負荷をかけずに行えるようにと試行錯誤した結果、「ibisOffice」が誕生したわけだ。

 なお、「ibisOffice」は無償で利用できるが、製品やサービスに組み込む企業を対象に有償の商用ライセンスを用意しているとのこと。マネタイズはこの商用ライセンスで行う方針のようだ。

ソフトウェア情報

「ibisOffice」
【著作権者】
株式会社アイビス
【対応OS】
64bit版のWindows/macOS 11以降(Appleシリコン搭載機。編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.8.1(26/10/12)