動画・音声の無音部分を自動でスキップしてくれるブラウザー拡張機能「Skip Silence」

「Skip Silence」Google Chrome版

　「Skip Silence」は、Webページで動画・音声コンテンツを再生する際に無音部分を自動でスキップしてくれる拡張機能。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。「Microsoft Edge」、「Google Chrome」、「Firefox」に対応しており、それぞれのアドオンストアから無償でダウンロードできる（寄付歓迎）。

　本拡張機能は、指定された音量を超えた場合・下回った場合にコンテンツの再生速度を変更できるツール。コンテンツに音がない場合に再生速度を上げて、無音部分をスキップできるようにするものだ。

　たとえば講義を録画しただけの教材ビデオの場合、教官が板書をしていたり、課題を解く時間を与えている間は無音に近い状態になる。それを自動で飛ばすことができれば、視聴するのにかかる時間を短縮できるだろう。スキップしない部分も再生速度を上げたり、逆に下げたりすることが可能。語学の教材の場合は、教官が話しているときだけゆっくり再生することで、聞き逃しをなくすことができる。

　本拡張機能は閲覧ページをスキャンし、利用可能な場合はアイコンがハイライトされるようになっている。インストールしたら、アイコンがツールバーに常時表示されるようピン留めしておくとよいだろう。ちなみに、「Skip Silence」は対象のコンテンツがHTMLの「video」要素や「audio」要素で表示されていれば機能する。そのため、「YouTube」だけでなく、幅広い動画サイト・音楽サイトで利用できるだろう。

利用可能な場合はアイコンがハイライトされる

アイコンがツールバーに常時表示されるようピン留めしておくとよい

　「Skip Silence」が利用可能なWebページであれば、アイコンをクリックして拡張機能のパネルを開き、一番上のトグルボタンを押す。すると機能が有効化され、自動スキップと設定の変更が可能となる。

一番上のトグルボタンを押すと機能が有効化され、自動スキップと設定の変更が可能となる

　各コントロールは、上から順番に以下のように配置されている。

• ボリュームスライダー：現在のボリュームを表示
• ［Enable Skip Silence］トグルスイッチ：「Skip Silence」の有効・無効を切り替え
• ［Playback Speed］プルダウンメニュー：通常時（ボリュームが閾値より上）の再生速度を調整
• ［Silence Speed］プルダウンメニュー：静粛時（ボリュームが閾値より下）の再生速度を調整
• ［Use dynamic threshold］トグルスイッチ：閾値を動的に調整する（後述）
• ［Volume threshold］スライダー：通常時・静粛時を切り替える閾値を調整する

　基本的には初期設定のままでよいが、もっと積極的にスキップしてほしい・スキップしすぎな場合は、ボリュームスライダーを見ながら［Volume threshold］スライダーを調整しよう。

　そのほかにも、［Advanced Settings］セクションではスキップ（静粛）時に音声をミュートしたり、動画と音声がズレたときに自動で同期をとるオプションが用意されている。しかし、「★」マークの付いた機能を利用するには有償の「Skip Silence Plus」ライセンス（8米ドル以上で自由に値段を決められる）を購入する必要がある。コンテンツの音量を分析して通常時・静粛時の閾値を自動的に決めてくれる「dynamic threshold」機能も「Skip Silence Plus」ライセンスに含まれる。

［Advanced Settings］セクション

　なお、「Edge」のアドオンストアで配布されているバージョンは少し古い「Skip Silence 4」だ。パフォーマンスが若干低いようなので、「Chrome」版の「Skip Silence 5」を利用した方がよいだろう。「Chrome」版も「Manifest V2」ベースになっており、「Manifest V3」への対応は今後の課題となる。

「Edge」のアドオンストアで配布されているバージョンは少し古い「Skip Silence 4」

　また、「Firefox」では「Skip Silence」が必要とするAPIの一部をサポートしていないため、機能が制限されるとのこと。