レビュー
Windows 10/11の仮想デスクトップに足りない機能を補ってくれるフリーソフト
「Windows Virtual Desktop Helper」ならマウス操作主体のユーザーでも使いやすく
2023年2月8日 06:45
「Windows Virtual Desktop Helper」は、Windows 10/11の仮想デスクトップに欠けた機能を補うユーティリティ。「GitHub」でホストされている寄付歓迎のオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「GNU Affero General Public License」(AGPL)。未署名のインストーラーまたはZIP形式書庫ファイルとして無償でダウンロードできる。なお、動作には「.NET Framework 4.7」が必要。
Windows標準の仮想デスクトップのメリットと弱点
Windows 10以降には「仮想デスクトップ」(Virtual Desktop)という機能が搭載されており、用途や目的に応じて複数のデスクトップを作成し、タッチパッドジェスチャー(3本指で横スワイプ)やキーボードショートカット([Windows]+[Ctrl]+左右キー)で切り替えながら利用できる。[タスク ビュー]画面([Windows]+[Tab]キー)で仮想デスクトップを一覧し、それぞれのデスクトップに名前を付けることも可能。
たとえば仕事とプライベートで仮想デスクトップを分けておけば、双方のアプリやドキュメントが混ざり、デスクトップが散らかってしまうのを防げる。また、ディスプレイが1枚しかなく、大きさに限りのあるノートPCで作業スペースを確保したい場合にも役立つ。
しかし、Windows 10/11の仮想デスクトップには切り替えエフェクトや、いま何番目の仮想デスクトップにいるのかを表示する機能が欠けている。仮想デスクトップごとに異なる壁紙を設定できるWindows 11ならばまだしも、Windows 10では使いづらく感じることも多いのではないだろうか。また、マウスで仮想デスクトップを切り替える際はかならず[タスク ビュー]画面を経由する必要があり、少し操作が煩雑な印象を受ける。
仮想デスクトップの問題を解決する「Windows Virtual Desktop Helper」
こうした問題を解決するために生み出されたのが、今回紹介する「Windows Virtual Desktop Helper」だ。
本ソフトを利用すると、以下のようなことが可能。余計な機能がなく、シンプルで軽量なのが魅力といえるだろう。
- 現在開いている仮想デスクトップの番号を表示するアイコンをタスクトレイに追加。「Windows Virtual Desktop Helper」を起動すれば現れる
- 前のデスクトップへ移動、次のデスクトップへ移動するアイコンをタスクトレイに追加(下のスクリーンショットの①の部分、デフォルト無効)
- 仮想デスクトップを切り替える際に、デスクトップの番号をオーバーレイ表示。オーバーレイの表示位置やアニメーションもカスタマイズできる(②)
そのほかにも、仮想デスクトップ番号のアイコンをクリックした際に[タスク ビュー]画面を表示するオプション(③)や、OSのスタートアップ時に「Windows Virtual Desktop Helper」を起動する設定(④)が用意されている。
たとえば、下のスクリーンショットのように仮想デスクトップの番号と隣のデスクトップへの移動アイコンを表示したい場合は、まず①のオプションを有効化して設定ダイアログを閉じる。
すると、タスクトレイやそのオーバーフローシェルフ(あふれたアイコンが表示されるポップアップ)に3つのアイコンが追加されるので、それをタスクトレイへドラッグ&ドロップして使いやすいように並び替えればよい。
なお、本ソフトのインストーラーは署名されていないため、「Windows Defender ウイルス対策」が警告を表示することがある。これは安全を確認するための十分なユーザーが確保されていないことを示すものだ。
編集部にてウイルスチェックを実施し、問題ないことを確認しているが、自己責任で利用してほしい。本ソフトは署名のための寄付を受け付けているので、それに協力してもよいだろう。
ソフトウェア情報
- 「Windows Virtual Desktop Helper」
- 【著作権者】
- Dan Krusi 氏(@dankrusi)
- 【対応OS】
- Windows 10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 1.10(23/01/20)