やじうまの杜
日本の全法令が「Git」の履歴に ~改正で何が変わったのかが一目瞭然
「Git」の意外な弱点も?
2026年11月5日 06:45
「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
法律は「Git」で管理したらいいんじゃ?――というのはときどき話題になりますが、それを実際にやってみた方がいるようです。興味のある方は、「GitHub」(Kohei-Wada/houritsu)へどうぞ。データは「CC BY 4.0」、変換プログラム「houritsu-builder」(Rust製)は「MIT」ライセンスで公開されています。
法律の改正は、『〇〇法の一部を改正する法律』という別の法律によって行われます。その中身は『第三条中〈A〉を〈B〉に改める』といった書き換えの指示なので、改正法を読んでも、結局どこがどう変わったのかはわかりにくいものです。
そこで、法令の本文をファイルにして、改正を1つのコミットとして記録すれば、変わったところを[git diff]でそのまま確認できるのでは――というのが「houritsu」の発想です。制作者の方は法律についてはまったく詳しくないそうですが、AIの助けを借りながら作り上げたとのこと。
法律・政令・省令など、デジタル庁の「e-Gov法令検索」で提供されている全法令が収録されており、制作者が11月1日に公開した記事によると、法令ファイルは8,982個、mainブランチのコミットは23,338個となっています。改正履歴は「e-Gov」が提供する範囲に限られ、おおむね2015年ごろ以降が中心。すべての法令を制定時までさかのぼれるわけではありませんが、十分多いですよね。
基本的な仕様は以下の通り。
- 1つの法令が1つのMarkdownファイルで、メタデータはフロントマター(YAML)に記載
- 1つのコミットが『1本の改正法の施行』に対応し、コミットの日付は施行日
- 公布済みでまだ施行されていない改正は『upcoming』ブランチで管理
- 毎朝自動で「e-Gov」から差分を取得し、コミットを追加
たとえば、個人情報保護法のファイルに[git log]をかけると、この法律に手を入れた改正法の一覧が得られます。記事によると、個人情報保護法を直接改正する法律だけでなく、日本学術会議法や防災庁設置法関連の法律に“巻き込まれる”形で書き換わっていることもわかるとのこと。また、[git log -L]を使えば、特定の条文だけの変遷を追うこともできます。「Git」コマンドが苦手であれば、「GitHub」のユーザーインターフェイスを散策してみるだけでも面白いですよ。
なお、このリポジトリを作ったきっかけと制作過程については技術情報共有サービス「Zenn」に投稿された記事で語られています。「Git」では1970年より前の日付をコミット日時に指定できないため、このリポジトリでは日時を1970年1月2日に置き換え、本来の施行日はメタデータに残しているそうです。1970年より前はコミット日時に指定できないのは、筆者も知りませんでした。『へぇ』ボタンがあれば押しまくりたいです。














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