レビュー
表示スタイルのカスタマイズ性に優れた“青空文庫”ビューワー「OyaziViewer」
単体でも高機能だが、同梱の「青空コンシェルジュ」との連携でさらに使い勝手アップ
2017年7月26日 06:00
「OyaziViewer」は、表示スタイルのカスタマイズ性に優れた“青空文庫”ビューワー。Windows XP以降に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードできる。
本ソフトは、著作権が切れた本や著者に許諾を受けた本を集めたインターネット電子図書館“青空文庫”のドキュメント形式に対応したテキストビューワー。縦書き・横書きに対応するほか、“青空文庫”特有のルビ、傍線・傍点、字下げといった記法を解釈し、忠実にレンダリングすることが可能。“青空文庫”からダウンロードしたZIPファイルを外部DLLなしにそのまま開く機能や、“青空文庫”のURLを指定して開く機能、クリップボードに保存したテキストを開く機能などを備える。
また、検索機能も充実しており、行だけでなく桁を指定した“カラム指定検索”が可能。正規表現ライブラリ「bregonig.dll」を別途入手すれば、正規表現検索にも対応する。検索結果はテキストファイルに出力することが可能で、そのほかにも目的のテキストをすばやく見つけるための機能として、見出し一覧、しおり、“スクラップブック”へのテキスト保存などをサポートする。
しかしなんと言っても本ソフトの魅力は、表示の設定を柔軟に行える点にあるだろう。フォントやそのサイズはもちろん、段組みや見開き、ルーラーの有無、改行やタブの表示、ページの上に表示される“柱”の表示などを自由にカスタマイズすることが可能。気に入った設定を“スタイル”として保存することができる。DPIの設定も用意されており、“Surface”などの高DPIモニター向けの設定がプリセットされているのもうれしいポイントだ。
「OyaziViewer」はSDI形式(「メモ帳」と同じく、1つのドキュメントに1つのウィンドウを表示)のシンプルなビューワーとして単体利用できるが、同梱されている「青空コンシェルジュ」を併用すればさらに“青空文庫”が身近になる。
「青空コンシェルジュ」は、“青空文庫”を検索して作品をローカルにダウンロードするためのツール。検索した作品をクリックするだけで「OyaziViewer」による閲覧が可能で、表示スタイルの指定も「青空コンシェルジュ」から行える。
ダウンロードした作品は“本棚”にストックされるので、以前に読んだ本へアクセスするのも簡単だ。「OyaziViewer」のビューワーウィンドウと“スクラップブック”のウィンドウ、「青空コンシェルジュ」のメインウィンドウ、“本棚”ウィンドウは、それぞれの[ウィンドウ]メニューから互いに行き来できる。
なお、本ソフトはインストール不要のポータブルアプリになっている。レジストリを一切利用しないので、USBメモリなどに入れて利用することも可能だ。
ソフトウェア情報
- 「OyaziViewer」
- 【著作権者】
- Martinstag 氏
- 【対応OS】
- Windows XP以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.3.0.0(17/06/30)
- 「青空コンシェルジュ」
- 【著作権者】
- Martinstag 氏
- 【対応OS】
- Windows XP以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1.0.0