NEWS(09/08/24 14:52)

ベクター、「Delphi」を狙ったウイルスの同社公開ソフトへの感染を発表

「BellTheCat」「BOB」「CLips」「kOSU」など7ソフト、4ソフトで感染の疑いも

 (株)ベクターは23日、同社が運営するソフトウェアライブラリ“ベクター”で公開されていたソフトの一部が、“W32/Induc-A”などと呼ばれるウイルスに感染していたことを公表した。24日現在、当該ソフトのダウンロードは停止されており、同社サイトでは対象となるソフトや、ウイルスの駆除方法などの情報が公開されている。

 感染が確認されたのは、以下の7ソフトの下記バージョン。

  • 「BellTheCat」v3.60/3.61/3.62
  • 「BOB」v3.22
  • 「CLips」v8.61
  • 「HiG(BeS Tools)」v4.00
  • 「kOSU」v1.41/1.42
  • 「OSPE」v4.20/4.21
  • 「壱番館」v7.82/7.83

 また、「PickBack」「PickBack2」、および6月16日から8月5日まで公開されていた「Wise Disk Cleaner 4 Free」「WiseRegistryCleanerFree」の旧バージョンにも感染の疑いがあり、ダウンロードが停止されている。

 同社では引き続き、過去に公開していたソフトの再検査を実施中とのこと。上記ソフトをダウンロードしたことがある方はもちろん、そうでない方もこの機会にパソコン全体のウイルスチェックを行うことをお勧めする。

 今回、感染が確認された“W32/Induc-A”は、開発環境「Delphi」v4/5/6/7を通じて感染を拡大するウイルスで、感染した「Delphi」でプログラムをコンパイルすると、作成されたプログラムも感染する仕組み。「Delphi」でプログラムを開発されている方はとくにご注意いただきたい。

 現在のところ、上記以外の活動や、「Delphi」v4/5/6/7がインストールされていない環境での活動は確認されておらず、セキュリティ対策ソフト各社は、本ウイルスの危険度を“低”や“ほとんど影響なし”などと位置付けている。

 なお窓の杜では22日、窓の杜に収録している「Glary Utilities」および「Glary Undelete」の旧バージョンが、今回と同じ“W32/Induc-A”ウイルスへ感染していたことを公表している。こちらもご確認いただきたい。

(中村 友次郎)