レビュー

“Twitter”の共有ボタンを“Mastodon”対応に、クロスポストも可能な「Tooter」

「Google Chrome」用の拡張機能。“TweetDeck”の投稿ボタンからトゥートすることも

「Tooter」v0.25

 「Tooter」は、“Twitter”の共有ページに“Mastodon”の[トゥート]ボタンを追加する「Google Chrome」用の拡張機能。編集部にてWindows 10上の「Google Chrome」v58.0.3029.81で動作を確認した。“Chrome ウェブストア”から無償でダウンロードできる。

 “Mastodon”は、簡単に言えば、“Twitter”のようなサービスを自前で運用できるようにしたサーバーソフト。最近一部で話題になっているので、耳にしたことのある人も少なくないだろう。

 中央集権型の“Twitter”では、あらゆるタイプのツイートが投稿され、タイムラインでは話題がごった煮になりがちだ。また、異なる人種や文化の共存に配慮したTwitter社による万人向けのガイドラインが適用されるため、人によっては窮屈に感じることもあるようだ。

 一方、“Mastodon”は多くの小規模なサーバー(インスタンス)が繋がる仕組みを実現した分散型サービスで、場に即したルールの下、趣味を共有するユーザーたちでコミュニティを形成するのに最適と言える。システムやルールの面でまだ試行錯誤が必要なところも少なくないが、最近では動画配信サービス“niconico”が自前のインスタンスを立ち上げるなど、企業による本格的な活用も目立ってきている。

 しかし、立ち上がったばかりのSNSにありがちなことだが、Webサイト側の対応が進んでいない点は不便だ。たとえば、気になったコンテンツを“Mastodon”で共有したくとも、“Mastodon”に対応した共有ボタンを設置しているWebサイトは皆無に近い。

“TweetDeck”の投稿ページに追加された[Toot]ボタンと[Tweet and Toot]ボタン

 そうした問題を一気に解決してくれるブラウザー拡張機能が、「Tooter」だ。

 本拡張機能をインストールすると、“Twitter”の共有ページに[Toot(トゥート)]ボタンが追加される(“トゥート”は、“Twitter”の“ツイート”に相当する)。このボタンをクリックすれば、コンテンツを“Twitter”ではなく、“Mastodon”で共有することが可能。広く普及した“Twitter”の共有ボタンを、“Mastodon”の共有ボタン代わりに使えるというわけだ。

 さらに、[Toot]ボタンの隣に追加され[Tweet and Toot]ボタンを利用すれば、“Twitter”と“Mastodon”のクロスポスト(同時投稿)も可能。[Toot]および[Tweet and Toot]ボタンは“TweetDeck”の投稿ページにも追加されるので、“TweetDeck”からクロスポストや“Mastodon”への投稿を行うことも可能だ(“Twitter”の投稿画面には未対応)。

 なお、利用する前にオプション画面から“Mastodon”の認証処理を済ませておく必要があるので注意。編集部では、“niconico”のインスタンス“friends.nico”で動作を確認しているが、他の海外・日本インスタンスでも同様の手順で認証できるはずだ。また、“トゥート”の文字制限は500だが、“ツイート”も文字制限は140なので、“TweetDeck”からのクロスポストの際は注意したい。残り文字数は投稿ボタン横に表示される数字で確認できる。

「Tooter」のオプション画面を開く
“Mastodon”のインスタンスを指定
読み取りと書き込みの権限を許可
ログインに成功すれば、[Toot]ボタンと[Tweet and Toot]ボタンが利用可能に

ソフトウェア情報

「Tooter」
【著作権者】
Effy Elden 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.25(17/04/08)