レビュー
「Unicode 10.0」に追加された“変体仮名”を表示できる「Unicode変体仮名フォント」
規格に追加されたばかりの“変体仮名”へいち早く対応。商用も含め無償
2017年6月28日 06:00
「Unicode変体仮名フォント(UniHentaiKana)」は、“Unicode 10.0”に追加された“変体仮名”を表示できるようにするためのフォント。作者のサイトから無償でダウンロードできる。
今でこそひらがなの字体は1種類に統一されているが、かつては複数の字体をもつのが普通で、同じ音を表記するにも、そのときどきで異なる字体を用いることが日常的に行われてきた。現在のように“あいうえお”といった字体に統一されたのは、1900年(明治33年)の小学校令施行規則改正以降のことだ。以来、現在用いられている字体(現用字体)のほかの字体は“変体仮名”と呼ばれ、書道のかな作品や蕎麦屋の看板・商標などで見かける程度になった。
“Unicode 10.0”ではこの“変体仮名”が規格に追加されたが、これにいち早く追従したのが「Unicode変体仮名フォント」だ。
本フォントは「IPAmj明朝フォント」から“変体仮名”のグリフのみを抽出し、Unicodeのコードポイントを付与したもの。Mac環境にインストールすれば、“Wikipedia”の“変体仮名”の項目ページも文字化けなしに閲覧できるようになる。Windows環境でも、画像編集ソフトなどに利用することができる。ライセンスは「IPAmj明朝フォント」と同じで、商用を含め利用は自由。PDFやEPUBへの埋め込みも認められているという。
また、OTF形式のほかにWOFF形式でも提供されており、Webフォントとして利用することも可能。WebサーバーへアップロードしてCSSで読み込めば、Webページで“変体仮名”を表示することができる。ファイルサイズは160KBほどなので、利用側の負担も少ないはずだ。
ソフトウェア情報
- 「Unicode変体仮名フォント」
- 【著作権者】
- wakufactory、独立行政法人情報処理推進機構
- 【対応OS】
- (編集部にてWindows/Macで動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.00(17/06/25)