レビュー
カウンターが決め手のデッキ構築型カードバトルRPG「デュエリストでも恋がしたい!」
武器や魔法、そして敵の攻撃を逆手に取るトラップカードを駆使して戦え!
(2013/12/3 17:42)
「デュエリストでも恋がしたい!」は、戦闘がカードバトルの短編RPG。Windows XP/Vista/7に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。
物語の舞台は、カードが力をもち、それを操って戦う“デュエリスト”達が活躍する世界。デュエリストの“アルカード”とその妹の“ナイ”は旅先で立ち寄ったドアカの町で、望まぬ結婚を強要されている町長の娘“ヒイロ”を助けるため3つのほこらへ向かうことになる。
基本は2D見下ろし型のRPGだが、戦闘が1対1のカードバトルとなっているのが特徴。自分と相手ともに、戦闘開始時にデッキから5枚のカードが手札に配られ、コマンドの代わりに選択して戦う。選択したカードは破棄され、新たなカードが山札から1枚補充され……という繰り返しで戦闘は進んでいく。
用意されているカードは60種類以上。物理攻撃を行う武器、攻撃や状態異常付与、ステータス向上・低下などさまざまな効果をもつ魔法、回復薬などの道具といったカテゴリーに分けられており、店での購入や宝箱、敵からのドロップ、レベルアップなどで増えていく。これらを1種類につき3枚まで、総計30枚までセットしてデッキを構築可能。さらに魔法カードには、いわゆるコストに相当する“MAGIC”の値が設定されており、ステータスの総MAGIC数を越えない範囲でデッキにセットできる。総MAGIC数はレベルアップで増えていく仕組みだ。
バトルの要となるのが“パッシブ”と“トラップ”というカテゴリーのカード。パッシブはいわゆるパッシブスキルに相当し、手札にあると防御力アップやクリティカルヒットが出る確率の向上など、さまざまな恩恵を受けられる。しかし手札にパッシブばかり揃えすぎると攻撃の手数が減ってしまうため、敢えて破棄してカードを入れ替えるなど、攻守のバランスを考えた戦術、そしてデッキ構築の戦略が重要だ。また、敵の手札は通常伏せられているが、パッシブだけは見える仕組みとなっており、これにどう対処するかもバトルのポイントとなっている。
一方のトラップは、あらかじめ選択して場に出しておくことで効果を発揮するもの。敵の武器攻撃を回避して反撃する“カウンター”、敵の攻撃魔法を跳ね返す“リフレクト”など、敵の攻撃に反応するのが基本で、とくに終盤以降はトラップの使いこなしが戦術の要となる。敵も使ってくるが、こちらは“何らかのトラップを置いた”ことだけがわかる仕組み。敵の戦い方の傾向を読んで、反撃を受けないような手を打つのが重要だ。
本作はプレイ時間1~2時間ほどの短編で、各ダンジョンのサイズもコンパクトになっており、新しいカードをどんどん入手できる。レベルもサクサク上がって同時に使える魔法が増えるため、次々とデッキを組み替えて、新しい戦術を試せるのが醍醐味だ。ストーリーも女の子のために頑張るアルカードの姿がコミカルに、ときに熱く語られており、短いながらクリア後の達成感はなかなかのもの。ちょっと変わった戦闘が好きなら気軽にプレイしてみてほしいRPGだ。
ソフトウェア情報
- 「デュエリストでも恋がしたい!」
- 【著作権者】
- サワハト 氏
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.1.3(13/11/30)