【第104回】
高い変換精度に定評のある日本語入力アプリ「ATOK for Android」
タブレット向けインターフェイスなどが追加され、入力がより快適に
(12/07/11)
『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、高い変換精度に定評のある日本語入力アプリ「ATOK for Android」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。
変換精度に定評があり、さまざまな入力方式を選べる日本語入力アプリ
「ATOK for Android」は、(株)ジャストシステムが提供する日本語入力アプリ“ATOK”シリーズのAndroid版。PC版などで定評のある高精度の日本語変換をAndroidで利用できる上、さまざまな入力方式やキーボードレイアウトに対応しているのが特長。本連載では、正式版になる以前の「ATOKトライアル」を紹介しているが、その後もバージョンアップにより機能が追加されており、v1.3.0ではタブレット向けインターフェイスが新たに用意されている。
「ATOK for Android」の特長のひとつは何より日本語変換精度の高さだ。長い文章などを一度に入力した場合も、文節の区切りを自動で認識して変換が行われるため、区切りを直すなどの手間なくすばやく入力することが可能。また、英字入力時に英単語の予測変換に対応するほか、ひらがなを入力して英単語に変換できる“カタカナ語変換”機能も備えている。そのほか、“きょう”“あす”や“いま”を日付や時刻へ変換可能。
キーボード左下の[パネル切替]ボタンをタップすることで、テンキー配列とQWERTY配列を切り替え可能で、テンキー配列では、フリック入力や携帯電話式の入力のほか、花びら型のポップアップを利用して濁点や半濁点、小書き文字までを一気に入力できる“ジェスチャー入力”が可能。さらに、1タッチ目で子音、2タッチ目で母音を選んでかなを入力する“2タッチ入力”も選択できる。
QWERTY配列では、キーを上にスライドすると英字を大文字で入力でき、キーを下にスライドすることで右上に表示されている数字や記号を入力可能。また、設定画面の[入力補助]画面において設定することで、キーボードの最上段に数字キーを表示することもできる。なお、数字キーを表示した場合はスライドによる大文字や数字・記号の入力はできなくなる。
また、テーマを選択してキーボードの色合いを変更することも可能。テーマは設定画面の[画面・表示]画面にある[テーマ]項目から変更でき、“標準”のほか“秋桜”“若葉”など、6種類のテーマを選択できる。
キーボードの高さが調整可能になったほか、タブレット向けレイアウトが追加
v1.3.0で追加されたのが、キーボードの高さを調整できる機能だ。キーボードの上部に表示されるバーの中央部分を上下にスライドすることで、キーボードの高さを調整可能。画面の小さい端末でキーボードを上に広げたいときや、横画面にした際にキーボードで入力エリアが隠れてしまったときなどに、高さを自由に調整できて便利。さらに、バーの左・右端を上へスライドした場合は、キーボードの面積を変えずに位置だけを調整できる。なお、高さの調整が必要ない場合はバーを非表示にすることも可能。
また、テンキー配列とQWERTY配列のそれぞれで、タブレット向けのキーボードレイアウトを利用可能。設定画面の[入力補助]画面から、“テンキーの設定”または“QWERTYキーボードの設定”において、“タブレット(縦画面)”または“タブレット(横画面)”のチェックボックスをONにすると、タブレット向けレイアウトが有効になる。
タブレット向けのテンキー配列では、キーボードを左もしくは右に寄せることができ、キーボードが左右に広がって打ちにくくなるのを防げる。加えて、端末下部を両手で持っているときでも片手の親指でスムーズに入力できるようになる。さらに、先述の方法で高さを調整できるほか、横三角形のアイコンを左右にスライドすればキーボードの幅も調整することができる。
QWERTY配列では、キーボードを左右に分離して中央に隙間を設けることができ、端末下部を両手で持っているときに指を広げることなく入力できるようになる。横三角形のアイコンを左右にスライドして隙間の幅を調整できるほか、最下部の中央にあるボタンから隙間の有無をワンタッチで切り替え可能だ。
タブレットなどで物理キーボードがある場合には、ディスプレイ上のソフトキーボードを隠すことも可能。設定画面の[入力補助]画面から“ハードキーボードを優先”のチェックボックスをONにすると、物理キーボードが接続されたときにソフトキーボードが自動で非表示になる。物理キーボードで入力を行うと、ディスプレイ下部に変換候補が表示され、単語を選択して入力可能。
マッシュルームに対応し、辞書の拡張も可能
日本語入力アプリの機能を拡張するプラグイン、“マッシュルーム”にも対応しており、各種マッシュルームをインストールすることで利用可能。マッシュルームを利用するには、まずキーボード左下の[パネル切替]ボタンを長押しし、ボタン上部に表示されるキノコ型アイコンを選択する。するとインストールしているマッシュルームが一覧表示され、選択して各マッシュルームによる入力を行うことが可能。
また、記号やアスキーアートの顔文字に加えて、主要3キャリアの絵文字を入力することもできる。絵文字は、設定画面の[その他]画面にある[携帯電話事業者の選択]項目から、NTTドコモ・au・ソフトバンクの各キャリアを選択可能。さらに、[その他]画面の“絵文字を常に利用”のチェックボックスをONにすれば、通常は絵文字を入力できないメモアプリやカレンダーアプリなどでも絵文字の入力が可能になる。
変換に用いる辞書を拡張できるのも「ATOK for Android」の特長。“Google Play”で公開されている“ATOK拡張辞書シリーズ”の各辞書をインストールすることで、さまざまなジャンルの用語が辞書に追加され、変換候補に表示されるようになる。“ATOK拡張辞書シリーズ”には、“首都圏ランドマーク”や“料理・グルメ”“日本俳優名”などの辞書が用意されていて、最大10個を利用可能。
また、ユーザー登録を行うことで、話題の新着用語を自動受信して辞書に追加できる“ATOKキーワードExpress”も利用可能。スポーツやビジネス、エンタメなどのジャンルを選択し、更新間隔を毎日・毎週などから選択して新着用語を受信できる。受信するとステータスバーに通知が表示され、追加された用語を一覧することが可能。
そのほか、WindowsまたはMac版のATOKを利用している場合は、ユーザー辞書に登録した単語をPCとAndroidで同期できる“ATOK Sync アドバンス”も利用することができる。
一括購入のほか、月額課金での利用も可能
「ATOK for Android」は、1,500円(税込み)の「ATOK (日本語入力システム)」を購入するほか、月額課金制の「ATOK Passport版」をインストールすることでも利用可能。“ATOK Passport”は、月額300円(税込み)で最新版の「ATOK for Windows」「ATOK for Mac」「ATOK for Android」をすべて利用できるサービスとなっている。また、Android版を15日間試用できる「ATOK お試し版」も提供されている。
- 【著作権者】
- (株)ジャストシステム
- 【対応OS】
- Android 1.6以降
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 1,500円(税込み)
- 【バージョン】
- 1.3.1(12/07/06)