#モリトーク

第95話

戻せないなら葬りたいChromeの新しいタブ

 昨年10月に掲載した第75話では、「Google Chrome」の“新しいタブ”が試験的に一新されたことを取り上げた。そのデザインと使い勝手の変更には戸惑いの声も多く挙がり、それを上級者用の設定画面で無効化したユーザーも多かったようだ。しかし、従来の“新しいタブ”が廃止されることはそのときすでに通知されていた。

 そして、先月20日に公開された「Google Chrome 33」で“新しいタブ”の新デザインが確定すると同時に、従来のそれへ戻すことも不可能になった。開発者のひとりが公式フォーラムへ投稿した情報によれば、“新しいタブ”のデザイン変更に伴って“Instant Extended API”を廃止したためとのこと。

「Google Chrome 33」の“新しいタブ”

 今回のデザイン変更では今のところ、メリットがほとんどないどころか、むしろデメリットのほうが目立つ。あくまで筆者個人の感想であるため、そう感じないユーザーもいるかもしれないが、筆者が気になったデメリットを挙げてみたい。

 まずは、“新しいタブ”を開いたときに、よくアクセスするページの一覧が必ず表示されるようになったことだ。従来のデザインでは“アプリ”の一覧へ切り替えておけば、よくアクセスするページの一覧を隠すことも可能だったので、新デザインではプライバシーに不安を感じることもあるだろう。

 それに加えて、よくアクセスするページの一覧は従来のそれと比べて、サムネイル画像のサイズが小さくなったほか、表示位置も画面中央から画面下部へ移動している。つまり、よくアクセスするページの一覧を使うにしても使わないにしても、“新しいタブ”は不便になっただけのような印象だ。そこでひとつの解決策として、“新しいタブ”の葬り方を提案したい。

設定画面で変更可能な起動ページとホームページ

 “新しいタブ”が表示されるパターンは、「Google Chrome」を起動したとき、新しいタブおよびウィンドウを開いたとき、[ホーム]ボタンをクリックしたときの3種類。起動時に表示される“新しいタブ”と、[ホーム]ボタンで表示される“新しいタブ”は、設定画面で任意のWebページへ変更することができるので、両パターンでは簡単に“新しいタブ”を葬れる。

 問題は、新しいタブおよびウィンドウを開いたときだが、基本的に拡張機能を利用するしかなく、「Google Chrome」の開発者もそれを提案している。そして、もっともシンプルな拡張機能が「Empty New Tab Page」であり、“新しいタブ”を空白ページへ置き換えてくれる。また、“新しいタブ”を“アプリ”画面へ切り替える「Show Apps in new tab」もシンプルでオススメだ。

 そのほかにも、“新しいタブ”を置き換える拡張機能は数多く公開されているので、自分の用途に合ったものを探してみるとよいだろう。これからは、“新しいタブ”を自分なりにカスタマイズすることが「Google Chrome」を使う上での前提になってくるのかもしれない。

(中井 浩晶)