高橋忍のにゃんともWindows

[CapsLock]キーって必要? 誤入力が多いので対処方法を考えてみました

 テレワークなどでPCを使う時間が平均的に上がってきています。快適環境を整える様々なアイデアが挙げられていますが、先ずはPCが快適に使えなければ話になりません。そのポイントは入力と出力です。つまりディスプレイとキーボードとマウス・タッチパッド。今回はそんなキーボードのお話です。

 毎日使っているキーボード。あまり気にしないかもしれませんが、問題点を改善するだけで快適になります。そんなキーボードでどうしても改善したかったのが[CapsLock]キーです。

[CapsLock]キーって必要?

 そもそも[CapsLock]キーとは何をするためのキーかというと“Caps”=“Capital Letters”つまり(アルファベットの)大文字にロックするためのキーです。もともとタイプライターで大文字を打つ場合には[Upper Case]キーを押しますが、タイトルなど大文字が続く場合に押し続けるのが大変なのでこのキーが生まれました。

 なのでデジタルになり、日本語環境でこのCapsキーを使わないと行けない場面はほとんどないわけなんです。そしてないだけではなくこのキーのせいで無駄な問題が発生してしまっています。

[CapsLock]キーに絡む問題

 [CapsLock]キーは手をホームポジションにおいた際に、すぐ左にあるので比較的誤入力しやすいキーです。そしてWindowsで時折Capsロックが効いてしまうと突然大文字が打たれて非常にイラっとなります。また、単に大文字になってしまう以外にも、Capsロックが引き起こす問題もあります。

Windowsでの[CapsLock]キーに関わる問題

  • 突然大文字と小文字が逆になってる
  • 突然かな入力になる

 因みに、2つ目の“突然かな入力になる”のは英語キーボードで「Microsoft IME」を使っている時で、「Google 日本語入力」などを使っているときは起きません。これは、「Microsoft IME」を使っていて[Ctrl]+[Shift]+[CapsLock]キーがかな入力へのショートカットキーになってしまっているからです。実際、もう一度押せばローマ字入力に戻るのですが、ほとんどの人はこんなショートカットキーを知らないので、どうやって戻せばいいのかわからず困ってしまいます。

 ではIMEの設定でなんとかなるかというと、そういった設定がないので対応することができません。実際、3つのキーが押されると、Windows 10がIMEをかなモードにするためのキーが押された!と判断して処理をしています。なのでこれ「Microsoft IME」だけの問題ではないんですよね。

[CapsLock]キーを別のキーに切り替える

 実際に[CapsLock]キーがなくてもほぼ困ることはないはずなので、Capsキーは別のキーに切り替えてしまいましょう。こういった機能提供するアプリは「Change Key」や 「Lock State」などがありますので、こういったアプリを使うのも良いでしょう。

 一つ注意する点はこういったツールはWindows XPの頃に作られたものが多く、正式にはWindows 10をサポートしていないので、Windows 10をアップデートしたときに動作しなくなる可能性もあります(まず無いとは思いますが)。

マイクロソフトの公式ツール

 そして今回の目的に合ったツールをマイクロソフトが公開しています。Sysinternalsというサーバー管理者用の便利なツールのシリーズの一つですが、これは単純に[CapsLock]キーを[Ctrl]キーに変更するだけのものです。

 結構この手のツールは、Microsoftの社内の開発者が不便なところを改善するために作ったアプリを正式に公開してしまったケースがありますが、これもそんな感じのアプリですね。

 使うときは、ダウンロードして解凍し、実行して再起動するだけです。Microsoftが正式に公開しているのでなんと行っても安全・安心です。

メモ帳だけでできる方法

 さらに、Windowsには以前からキーコードを変換、つまりキーを別のキーに切り替える設定があります。知る人ぞ知る隠し機能的な存在ですが。これを使えばアプリをインストールしなくても標準機能だけで対応することができます。

 具体的に言うと、レジストリに書き込むことで特定のキーコードを別のキーコードに割り当てる機能で、別のキーコードを割り当てずに00を割り当てればキーを効かなくすることもできます。

やり方

 実装は簡単でレジストリを書き換えるための設定ファイルを作って実行するだけです。設定ファイルはただのテキストファイルなので、メモ帳に以下をコピーして、“Caps2Ctrl.reg”といった名前で保存するだけでOKです。

“Caps2Ctrl.reg”に記述する内容

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout]
"Scancode Map"=hex:00,00,00,00,00,00,00,00,02,00,00,00,1d,00,3a,00,00,00,00,00

 ちゃんと保存されれば、水色のブロックが付いたアイコンになるので、ダブルクリックして設定を反映すれば終わりです。あとは再起動すればこの設定は反映されます。

この数字の羅列は何?

 ちなみに、最後にある数字の羅列はこんな意味があります。(00 02という数字を 02 00と2桁たずつひっくり返すのはリトルエンディアンという昔ながらのルール)

 なので、[Ctrl]キーと[CapsLock]キーを入れ替える場合、[Ctrl]→[CapsLock]、[CapsLock]→[Ctrl]という2つをセットするので設定はこうなります。

元に戻すには

 こちらが設定を消すためのものなので、同じように“EnableCaps.reg”といった名前で保存して、実行して設定し再起動すればOK。

“EnableCaps.reg”に記述する内容

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout]
"Scancode Map"=-

 このファイルさえ保存しておけば、特にアプリなどを使わなくても簡単に設定できます。OSを新しくしたり、新しいPCを買ったときなどは初めにやっておきましょうね。

Microsoftに対応してほしい

 Windows 10にはかな入力に関するこんな設定があります。ただこれをOFFのままにしても[Ctrl]+[Shift]+[CapsLock]キーでかな入力になってしまいます。

 ですので、このショートカットキーを廃止するか、このショートカットキーを無効にする設定をここに追加してください。ってこんなところで書いてないで、ちゃんとWindows 10のフィードバック([Windows]+[F]キー)に書かないとダメですね。IMEの設定もだんだんWindowsに統合されつつありますから。

 Windows 10 バージョン2004(May 2020 Update)では[Ctrl]+スペースキーによるIMEのON/OFFもWindowsの「設定」アプリから設定します。

(小ネタ)ハードウェアで解決する

 3Dプリンターを使った小ネタです。[CapsLock]キーを押したくないなら押せないようにカバーを作ってしまえばいいじゃないか!ということで作ってみました。完全にSurface Keyboardの[CapsLock]キー専用です。完全専用が作れるのが3Dプリンターの面白いところです。

にゃんともキーボード

 大概の猫はキーボードが好きなようです。キーボードの上でよく寝ている猫を見かけます。もしくはPCで仕事をしている飼い主と遊びたいときは、キーボードに乗って邪魔します。これが重要なものでこれを押さえれば仕事ができなくなる事を直感的にわかっているんでしょうね。

 恐るべきデジタル時代のニャンズたちです。