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フリーの高機能テキストエディター「Mery」、マクロエンジンに「QuickJS」を採用

おまけのバイナリビューワー機能も搭載した最新ベータ版v3.8.0が公開

「Mery」ベータ版v3.8.0

 フリーの高機能テキストエディター「Mery」ベータ版が11月17日(日本時間)、v3.8.0へアップデートされた。2024年5月にMicrosoftが「VBScript」の非推奨化と廃止スケジュールを公表したことをうけ、新たなマクロエンジンとして「QuickJS」が導入されている。

 「QuickJS」は、「FFmpeg」「QEMU」の作者として知られるFabrice Bellard氏が手がけたJavaScriptエンジン。アプリへの組み込みを想定したコンパクトな設計になっており、リソースが潤沢でないデバイスでも高速に動作するのが特徴。「ES2023」仕様をサポートしており、モジュールや非同期ジェネレーター、プロキシといった新しいJavaScript仕様が利用できるのも魅力だ。

 なお、ベータ版「Mery」のマクロエンジンには、「QuickJS」の派生(フォーク)プロジェクトである「QuickJS-NG」が採用されている。一時期休眠状態だった「QuickJS」よりもメンテナンスが活発で、“これからも安心して使ってもらえる”ことを重視した選択のようだ。

 「Mery」マクロを「QuickJS」で実行するには、マクロファイルの先頭に以下の一行を記述すればよい。

#language = "quickjs"
alert("Hello World!");

 旧来の「JScript」エンジンでは利用できなかったこと――正規表現の後読みなど――も、「QuickJS」ならば実現できる。「#language」を指定しないマクロを「QuickJS」で強制実行する隠しオプションも提供されているとのこと。

マクロエンジンに「QuickJS」を採用

 そのほかにも、おまけ機能としてバイナリビューワーが追加された。エンコード設定を「バイナリ」にすることで、1行16バイトでバイナリデータを表示できる。

エンコード設定を「バイナリ」に
1行16バイトでバイナリデータを表示

 なお、本バージョンではソフトウェア使用許諾書がアップデートされ、「WinGet」などのパッケージマネージャーによる配布が禁止されている。これは「Mery」プロジェクトが個人契約のレンタルサーバーでホストされており、その維持費が広告収益で賄われているためだ。「WinGet」などへの対応は前向きに検討中とのことなので、第三者による「Mery」パッケージの配信は自粛したい。

ソフトウェア情報

「Mery」ベータ版
【著作権者】
kuro 氏
【対応OS】
64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
3.8.0(24/08/18)