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「VBScript」は2027年頃にデフォルトで無効に ~非推奨化スケジュールが公開

3つのフェイズに分け、段階的にサポートを縮小

「VBScript」のスクリプトファイル(VBS)

 米Microsoftは5月22日(日本時間)、「VBScript」の廃止スケジュールを公表した。3つのフェイズに分けて、段階的にサポートが縮小される。

 「VBScript」(Microsoft Visual Basic Scripting Edition、VBS)は、1996年に初めて導入された軽量スクリプト言語。Windows標準のOSコンポーネントとして提供されており、「WSH」(Windows Script Host)や「ASP」(Active Server Pages)といったMicrosoft技術と組み合わせ、システムの自動化や双方向性のあるWebサイトを構築する目的で広く利用されていた。使い慣れた「Visual Basic」によく似た文法を持つ点や、OSに含まれているため追加のセットアップが不要で、「メモ帳」さえあれば始められる手軽さが当時は評価されたためだ。

 しかし、現在では「PowerShell」や「JavaScript」といった、より強力で汎用性の高いスクリプト言語にとって代わられているのが実情だ。現在でもローカル環境でバッチファイルの代わりとしてまだ一定の需要があるが、セキュリティ攻撃で狙われることも少なくなく、2023年10月、とうとう非推奨とされた。正式に削除されるまでは機能するが、もはや活発には開発されていない。

 同社によると、今年後半に予定されている新しいOSリリース(「Windows 11 バージョン 24H2」)から、「VBScript」はオンデマンド機能(FOD)として提供されるようになる。この段階ではまだ既定で有効、プリインストールという扱いだが、今後いくつかのフェイズに分けて扱いは縮小される。

3つのフェイズに分け、段階的にサポートを縮小
  • フェイズ1:「Windows 11 バージョン24H2」にはプリインストールされ、デフォルトで有効となる。デフォルトで有効になっている「VBScript FOD」は、「設定」アプリの[システム]-[オプション機能]で確認できる。削除も可能
    プリインストール、「FOD」としてデフォルトで有効
  • フェイズ2:2027年頃に「VBScript FOD」はデフォルトでは無効となる。「VBScript」が必要な場合は、[オプション機能]設定ページで「VBScript」を探し、ユーザー側でインストール・有効化する必要がある
    ユーザーが「FOD」を検索し、インストールする必要がある
  • フェイズ3:「VBScript」は引退し、Windowsから削除される。「VBScript」に関わるすべてのダイナミックリンクライブラリ(.dllファイル)はなくなるため、依存するアプリやシステムは動作しなくなる

 なお、「Microsoft Office」で使われている「Visual Basic for Applications」(VBA)マクロは引き続き利用可能。ただし、「VBA」から「VBScript」(.vbsスクリプトを実行、またはライブラリとして「typelib」参照)を呼び出している場合、フェイズ2以降で動作に影響があるため注意したい。