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「QEMU 10.0」が公開 ~オープンソースの汎用マシンエミュレーターおよび仮想化ソフト

x86で文字列命令の高速なエミュレーションに対応するなど、多くの改善

「QEMU 10.0」がリリース

 オープンソースの仮想化ソフト「QEMU」v10.0.0が、4月22日に公開された。メジャーアップデートとなる本バージョンでは、211人の開発者から寄せられた2,800以上のコミットが含まれている。

 「QEMU」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応の汎用マシンエミュレーターおよび仮想化ソフト。PCのハードウェア(CPUや周辺機器)をエミュレートして、他のOSを実行したり(システムエミュレーション)、特定のCPU向けにコンパイルされたプロセスを別のCPUで動作させる(ユーザーモードエミュレーション)ことが可能。x86だけでなく、ArmやMIPS、RISC-Vといった幅広いCPUアーキテクチャーに対応する。

 対応OSはLinux、macOSなど。Windowsでも利用可能で、有志によってビルドされたインストーラーが用意されている。Windows版の対応OSはWindows 8以降。

 「QEMU 10.0」では、x86で文字列命令の高速なエミュレーションや、「Clearwater Forest」「Sierra Forest v2」モデルのIntel CPUへ対応。「virtio-scsi」マルチキューがサポートされ、各キューの要求を処理するために異なるI/Oスレッドを使用できるようになった。すべての第11/12世代Intel CPUでIGDパススルーのサポートも強化された。

 そのほかにも、macOSゲストでグラフィックスの高速化を実現する新しい「apple-gfx-pci」および「apple-gfx-mmio」デバイスを追加。ARM、RISC-VなどのCPUアーキテクチャーでも多くの改善が行われている。