レビュー

無償化された「VMware Workstation Pro」はダウンロードが超難関に?

インストールから仮想マシンを作る基本の手順を解説

「VMware Workstation Pro」のメイン画面

「VMware Workstation Pro」を試してみよう

 仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」が商用を含めて無償化されると発表されたのは、昨年11月のこと。長い歴史と実績があるソフトを無償で使えるということで、より興味を持った方も多いのではないかと思う。筆者も個人的に長らく使用していて、商用利用も可能とされたので、使い道を広げようかと検討中だ。

 「VMware Workstation Pro」を利用するには、公式サイトからインストーラーをダウンロードする必要があるのだが、この手順が非常にわかりづらい。インストールにすらたどり着かず諦めてしまう方を少しでも救えるよう、筆者が実際に仮想マシンを作るまでの手順をご覧いただこう。

公式サイトから「VMware Workstation Pro」を探し出す

 まずは「VMware」の公式サイトにアクセス。ダウンロードできるページへの直接リンクを示してもいいのだが、後にWebサイトの構成を変えられると無駄になるので、今回は真面目にトップページから辿ることにする。「https://www.vmware.com/」にアクセスすると、トップページはこんな感じ。

トップページ

 製品を探したいので、上部にある[Products]をクリック。するといろんな製品がずらっと出てくる。「VMware」にはこんなに製品があるんだな……と思いつつ「VMware Workstation Pro」を探すが、この中には記述がない。

 ここで選ぶのは、下にある[SEE DESKTOP HYPERVISORS]。デスクトップ向け仮想化ソフト、という意味だ。「VMware Workstation Pro」はこれにあたる。

[Products]から[SEE DESKTOP HYPERVISORS]と進む

 すると次のページに[VMware Workstation Pro for PC]という項目が見つかる。この中にある[DOWNLOAD NOW]をクリック。めでたしめでたし。

[VMware Workstation Pro for PC]の[DOWNLOAD NOW]をクリック

 ……となればよかったが、ここでBroadcomのWebサイトへのサインインが求められる。筆者は以前取得していたが、持っていない場合は右上にある[LOGIN]タブをクリックし、[REGISTER]からユーザー登録を行う。

 なおBroadcomは今年1月、認証システムを変更しており、それ以前にユーザー登録を行っている場合は、パスワードの変更を求められる(筆者がこれだった)。

Broadcomへのサインインが必要

 サインインすると、個人ページらしきものに飛ばされ、[My Downloads]というタブを開いた状態になる。「No data found」と書かれた空っぽの画面が表示されて一瞬焦るが、左上にある[Free Software Downloads available HERE]をクリック。

左上にある[Free Software Downloads available HERE]をクリック

 すると無料ダウンロードできるソフトの一覧が表示される。この左下に[VMware Workstation Pro]があるので、ここをクリック。

[VMware Workstation Pro]をクリック

 次はWindows版とLinux版の2つが表示されるので、[VMware Workstation Pro 17.0 for Windows]を選択。

[VMware Workstation Pro 17.0 for Windows]をクリック

 リストが開き、複数のバージョンが表示される。今回は最新の[17.6.3]をクリック。

最新版をクリック

 これでついにダウンロードボタンが表示されるが、まだクリックできない。リストの上にある[I agree to the Terms and Conditions]のチェックを入れると、ダウンロードボタンがクリックできるようになる。

[I agree to the Terms and Conditions]をチェック

 クリックすると、「Prior to downloading this file, additional verification is required. Proceed?(このファイルをダウンロードする前に、追加の確認が必要です。続行しますか?)」との表示が。[Yes]を選択。

[Yes]をクリック

 すると詳しい個人情報の入力を求められた。[Zip/Postal Code]は郵便番号、[State/Province]は県名、[City]は市区町村名、[Address1]は残りの住所を入力する。意味が伝わる程度で構わないのでローマ字入力しておくのがいい。すべて入力したら右下の[Submit]をクリック。

住所の情報を埋めるよう促された

 再び先程のダウンロード画面に戻り、ダウンロードアイコンをクリックすると、ついにインストーラーのダウンロードが始まる。

これでようやくダウンロードできる

インストールと仮想マシンの作成

 次はインストーラーを起動。こちらは日本語なので、言われた通りに進めていく。基本的にはインストールの設定をいじる必要はない。

インストーラーは初期設定のまま進めても大丈夫

 インストールが終わったら、アプリを起動しよう。メイン画面が表示されるので、[新規仮想マシンの作成]のボタンをクリック。

[新規仮想マシンの作成]をクリック

 新規仮想マシン作成ウィザードが起動する。まずは推奨の[標準]で進めよう。

[標準]を選んだまま次へ

 次にインストールするOSを選択する。手元にある光学ドライブからインストールするか、あるいはISOイメージファイルを指定する。今回はたまたまダウンロードしてあったWindows 11のISOファイルがあったので、こちらを選択してみた。

何をインストールするかを選ぶ(画像はWindows 11)

 仮想マシンの名前は、「VMware Workstation Pro」上で見分けるためのものなので、自由に付けて構わない。[場所]は仮想マシンのデータを置いておく場所なので、これも自由に指定していい。ただし仮想マシンは数十GB以上の容量を求められ、指定した領域を最初に確保するので、高速なSSDを指定しておくと作業が早く進む。

仮想マシンを後から識別できるよう名前を付ける。仮想マシンのデータ置き場も変更可能

 次は暗号化情報。これはWindows 11のISOを選択したためで、パスワードの入力を求められるので、何かしら入力する。自動生成も可能だ。

Windows 11をインストールする場合、TPMが必要になる

 次に仮想マシンのディスクの容量を指定する。実際の用途で必要になるであろうサイズをあらかじめ指定しておく。大きくすればするほどホストのストレージ容量を消費する。後から調節できるので、まずは最小サイズでも構わない。

仮想マシンのディスク容量を指定

 これで準備は完了となり、[完了]ボタンをクリックすると仮想マシンの作成が始まる。その前に[ハードウェアのカスタマイズ]を選ぶと、メモリやCPUなどの使用量を調整できる。

基本設定はこれで完了だが、[ハードウェアのカスタマイズ]を選んでおく
メモリの量を調整できる。ホストPCはその分メモリを消費することになる
プロセッサの数を指定。ホストPCのCPUコア数を上限に設定できるが、仮想マシンにパワーを持っていかれたくないなら少なめにする

 注意しておきたいのは[ネットワーク アダプタ]の項目。標準だと[NAT]が選択されているが、ホストとなるPCと同一LAN内に仮想マシンを存在させたいなら、[ブリッジ]を選択しておくと後々設定しやすい。

仮想マシンを同一LAN内のマシンにするなら、[ブリッジ]を選ぶのがいい

 以上で仮想マシンの作成が完了。しばらくすると指定したISOファイルからインストール作業が始まる。Windows 11であれば、単体PCのクリーンインストールと同じ手順になる。もちろんアクティベーションコードも別途必要だ。

仮想マシンでWindows 11のインストールが始まった。後は物理マシンと同じ手順で進めていくだけ

 インストーラーのダウンロードさえできてしまえば、後はそれほど難しくはないと思う。もし仮想マシンの設定を間違えても、また別の仮想マシンを作り直せば簡単にやり直せるのが、仮想マシンのいいところだ。こちらを参考に、恐れずお試しいただきたい。

ソフトウェア情報

「VMware Workstation Pro」Windows版
【著作権者】
Broadcom Inc.
【対応OS】
Windows 8.1/10/11およびWindows Server 2012 R2/2016/2019/2022
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
17.6.3(25/03/04)