石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

「ドラクエII」に4人目の仲間が増えたらしいので探してきた

すぐ4人パーティになるんですよね?

「ドラゴンクエストI&II」のタイトル画面

ファミコン版にはいなかった4人目を探そう

 HD-2Dによるリメイク作品「ドラゴンクエストI&II」が10月31日に発売された。Steam版だけ1日遅れての発売で、遊び始めた時にはもう情報が飛び交っていて歯噛みしたという方もいらっしゃるだろう。

 今回は筆者が「ドラゴンクエストII」をプレイした話を書こうと思う。今回はあえて事前情報を入れずにいたのだが、漏れ伝わってきたイメージビジュアルで、見つけてしまった。

 「ドラゴンクエストII」に4人目の誰かが居るのである。

ゲーム選択画面で「ドラゴンクエストII」を選ぶと、イラストには4人のキャラクターが描かれている

 筆者はファミコン版しかプレイしていない(しかもロンダルキアの洞窟で投げたっきり)のだが、主人公はローレシアの王子、そしてサマルトリアの王子と、ムーンブルクの王女が仲間になり、3人パーティで攻略するゲームだったことは覚えている。が、今回は明らかに4人いる。

 ということで、発売から1週間弱の間に、この4人目の仲間をパーティに加えるのを目標として、ゲームをプレイしてみることにした。内容的にある程度のネタバレを含んでしまうので、気になる方は先にプレイしてからお読みいただきたい。

なんと一番最初に仲間になる

 4人目が誰かについては、簡単に推察できる。イラストに描かれているのは金髪の少女で、黄色い服に緑のマントというカラーはサマルトリアの王子と一致する。となれば、サマルトリアの王女なのだろう。ファミコン版から登場はしているが、ただのNPCで仲間にはならなかった。

 ゲームを開始すると、プロローグが始まる。王子・王女らが生まれた日から、ムーンブルクが襲われた日の様子が描かれる。しっかり見ていくと、これだけで15分ほどかかる。

ムーンブルクで何があったか詳細に描かれるが、ゲーム本編の開始までがちょっと長い

 冒険に出て、サマルトリアへ。放浪癖、もとい、間が悪くなかなか出会えないサマルトリア王子を探す旅が最初のミッションである。サマルトリアの城で王様に会い、再出発しようとしたところで、いきなりサマルトリア王女に捕まる。「お兄ちゃんを探すくらい手伝わせてよ!」と言い、仲間になってくれるのだ。

いかにもおてんば娘なサマルトリア王女

 なんと誰より早く、最初に仲間になってくれるのがサマルトリア王女であった。確かに、サマルトリア王子を見つけるまでの1人旅は、1人で複数の敵を相手にしなければならず、なかなか大変だ。そこにサマルトリア王女の助けが得られる展開は、とてもありがたい。

 これで今回の記事は終了……とはならなかった。仲間にはなっているのだが、操作を受け付けず、装備も変更できない。

いっしょに戦うが操作はできず、ちゃんと仲間になった感じではない
いたずらっぽい攻撃パターンもあって面白い

 そのまま冒険を進め、サマルトリア王子と合流。3人パーティになったが、ここでサマルトリアの城に戻ると、サマルトリア王女はパーティから外れてしまう。王子と王女はほぼ入れ替えで、2人パーティになる。ただサマルトリア王子は装備の入れ替えや操作も可能で、正しくパーティメンバーとなっている。

サマルトリア王子を見つけると、サマルトリア王女とはお別れ

再び仲間になるのはいつなのか?

 冒険を続け、ムーンブルク王女とも合流。これでファミコン版と同様の3人パーティだ。サマルトリア王女は城にいるが、話しかけても仲間にはなってくれない。この時点でのプレイ時間は2時間弱。

 あとはゲームを進めるうちに、どこかで仲間になってくれるに違いない。3人パーティでの冒険が続く。ファミコン版では見た記憶がないボスモンスターとの戦いを潜り抜け、新しい装備品も身に着けて、どんどん先へ先へ。

3人パーティになるのは予定通り
記憶にないボスとの戦いも

 アイテムをしっかり拾って、出会う敵もすべて倒して、ゆっくりなペースで進めていき、5時間半ほどで船を入手。冒険できる場所が広がり自由度が高まるが、サマルトリア王女と会ってもやはり仲間にはなってくれない。

船を手に入れてもまだ3人

 そしてさらにゲームが進むと、ある時、サマルトリア王子が危機に陥ってパーティを離脱する。その際、話を聞いたサマルトリア王女が再びパーティに参加するが、またも操作できない一時キャラクター扱い。

サマルトリア王女が再び登場するが、まだ操作できない

 その後、パーティが2人と1サポートキャラとなり、実質的に弱体化した状態になるため、物語の進行がやや辛くなる。なんとか目的を達成し、無事にサマルトリア王子の危機を救うと、再びパーティに復帰すると同時に、今度はサマルトリア王女も操作可能な仲間になった。兄ほど魔法が得意ではないが、HPは高め。

やっと正式に仲間になり、4人パーティが完成

 この時点でプレイ時間を確認すると、約11時間半にもなっていた。物語の攻略順によってパーティに入るタイミングが変わるため、上手くやればもっと早く仲間になるのだが、3人目が入ってすぐ4人目も、とはならない。きっとすぐ仲間になるだろうと思って始めたので、なかなか胃が痛い冒険になった。

 確かにサマルトリア王女も勇者の末裔なので、ともに冒険に出ることは何らおかしくはない。本編では、まだ幼いからという理由で冒険に出してもらえないが、それを押し切って勝手に出ていってしまうシーンがたびたび描かれている。おっとりした兄との対比もあり、キャラクターの個性をうまく引きだしている。

SDキャラクターのこのモーションがかわいい
この後は4人での冒険。どんな活躍を見せてくれるのだろうか

 とはいえ、ゲームとしてはとても楽しめている。先にプレイしていた「ドラゴンクエストIII」のHD-2Dリメイク版に比べると、本作はキャラクターが語るデモシーンが圧倒的に多い。パーティメンバーそれぞれに個性があり、物語を描きやすいため、見栄えのするシーンをふんだんに盛り込んでいるのだろう。特にファミコン版からの進化は演出面以外でも大きいので、とても新鮮だ。

筆者が印象的だったのは、ラダトームの王様をしっかり描いているところ

 伝え聞く話によると、「ドラゴンクエストI」の方もかなりのアレンジが入っているとか。こちらもまたプレイしていこうと思う。

タイトル画面の後、2つのタイトルを選択する。こちらは「ドラゴンクエストI」
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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