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約3万円の「VMware Workstation Pro」が無償化 ~個人利用で、Mac向け「Fusion」も

「VMware Workstation/Fusion Player」は販売終了

仮想PCソフト「VMware Workstation Pro」の個人利用が無償化

 米VMwareは5月13日(現地時間)、仮想化PCソフト「VMware Workstation Pro」の個人利用を無償化すると発表した。Mac向けの「VMware Fusion Pro」も同じ扱いとなる。

 「VMware Workstation」は、1台のPC上で複数のOSを仮想マシン(VM)として実行できるツール。Windows/Linux(64bit)に対応しており、「Player」と「Pro」という2つのエディションが用意されていた。

 「VMware Workstation Player」は仮想マシンの作成・実行のみに機能を絞った学習・サンドボックス用途のエディションで、個人利用および非商用に限り無償で利用可能。商用の場合は22,440円のライセンスを購入する必要がある。

 「VMware Workstation Pro」は仮想マシンの複数同時実行や仮想ネットワーキング、スナップショットの作成など、ITプロフェッショナルや開発者向けの機能が充実している。ライセンスは29,975円(価格はいずれも税込み)。

仮想マシンの複数同時実行や仮想ネットワーキング、スナップショットの作成などをサポートした「VMware Workstation Pro」

 今回の無償化は、同社がBroadcomへ買収されたことによる余波。製品ラインナップを簡素化するにあたり、デスクトップの「ローカル仮想化」製品はクラウド製品の入門・普及という役割を与えられることになったようだ。ともあれ、約3万円で販売されていた「Pro」が個人でも利用可能となったのは朗報といえよう(商用はライセンスが必要)。大量にあったSKUが大幅に削減され、製品の導入検討が容易になったのもメリットと言える。

 一方で、「Player」の販売は打ち切られる。サポート終了(「VMware Workstation 17」の一般サポート終了は2024年11月17日)まではそのまま利用できるが、いずれは「Pro」への移行が必要となるだろう。

 「VMware Workstation Pro」「VMware Fusion Pro」は現在、「Broadcom Support Portal」(support.broadcom.com)からダウンロード可能(要アカウント)。「VMware Workstation Player」を個人利用していた場合、「VMware Workstation Pro」を再度ダウンロード・インストールすれば、既定で個人使用ライセンスが付与される。

「Broadcom Support Portal」(support.broadcom.com)からダウンロード可能

 すでに「Fusion Player」を個人ライセンスで利用している場合は「Fusion 13.5.2」にアップデートし、ライセンスキーを削除すればよい。

各製品の移行方法。「Workstation Player」から「Workstation Pro」への移行は再インストール