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Word、Excel、PowerPointの厳しすぎるアクセシビリティルールが緩和 ~実情ベースに

障害を抱えたユーザーにも読みやすいドキュメントを

厳しすぎるアクセシビリティルールを緩和、実情ベースに

 米Microsoftは10月21日(現地時間)、「Microsoft 365」(Office)製品の「アクセシビリティ アシスタント」をアップデートすると発表した。間もなく「Word」、「Excel」および「PowerPoint」に反映される。

 「アクセシビリティ アシスタント」(Accessibility Assistant)は、障害を抱えたユーザーにとっても読みやすいドキュメントになっているかどうかをチェックするツール。とくに色覚に異常がある人や、スクリーンリーダーに頼らざるを得ない人でもアクセスできるかを重視しており、色とコントラスト、画像の代替テキスト、テーブルの構造、ドキュメントの構成などがチェックされる。

「Word」のアクセシビリティチェック機能(「ユーザー補助アシスタント」とも)

 今回のアップデートではこのチェックルールが見直され、実際のアクセシビリティのニーズをよりよく反映したものになる。実際には問題とならない些末なポイントがいちいち指摘され、苛立つことも少なくなるだろう。

  • 有効な行ヘッダーの認識:キーボードショートカットでスクリーンリーダーが移動できる行ヘッダーであれば、アクセシビリティ違反フラグは立てられないように。以前は行ヘッダーのあるテーブルに違反フラグが立っていた
  • 結合されたセル:最初の行・列の結合であれば、スクリーンリーダーは正しくデータと関連付けて読み上げるため、それに合わせてアクセシビリティアラートを表示しないように
  • 結合・分割違反のルール:スクリーンリーダーは通常、4行または4列以下の小さな表であれば、セルの結合や分割があっても問題なく処理できる。この仕様に合わせ、アクセシビリティチェックも細かい結合・分割違反は見逃すように
  • 空の図形(シェイプ)やテキストボックス:スクリーンリーダーは装飾目的の空シェイプやテキストボックスを読み飛ばすため、アクセシビリティ上の問題はない。アクセシビリティチェックのルールもそれに合わせて緩和

 テーブルに関する違反の変更は、以下の「Word」、「Excel」および「PowerPoint」バージョンに展開される。

  • Windows:バージョン2411(Build 19412.20000)以降
  • Mac:バージョン 16.103(Build 25101121)以降

 空のシェイプに関する違反の変更は、「Word」および「Excel」の下記バージョンで実施される。

  • Windows:バージョン2411(Build 19329.20000)以降
  • Mac:バージョン16.103(Build 25100813)以降