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「QEMU 9.0」が公開 ~オープンソースの汎用マシンエミュレーターおよび仮想化ソフト

Windows向け64bit版インストーラーも利用可能

「QEMU 9.0」がリリース

 オープンソースの仮想化ソフト「QEMU」が、4月23日にv9.0.0へとアップデートされた。

 「QEMU」は、オープンソースで開発されているクロスプラットフォーム対応の汎用マシンエミュレーターおよび仮想化ソフト。PCのハードウェア(CPUや周辺機器)をエミュレートして、他のOSを実行したり(システムエミュレーション)、特定のCPU向けにコンパイルされたプロセスを別のCPUで動作させる(ユーザーモードエミュレーション)ことが可能。x86だけでなく、ArmやMIPS、RISC-Vといった幅広いCPUアーキテクチャーに対応する。

 対応OSはLinux、macOSなど。Windowsでも利用可能で、有志によってビルドされたインストーラーが用意されている。対応OSはWindows 8以降で、v8.0.0からは64bit版のみの提供だ。

 メジャーバージョンアップとなる「QEMU 9.0」には、220人の開発者から寄せられた2,700以上のコミットが含まれている。主な変更は「virtio-blk」がマルチキューをサポートし、1つのディスクの異なるキューを異なるI/Oスレッドで処理できるようになったこと。「gdbstub」ではユーザーモードにおけるシステムコールのキャッチ、フォークフォローモードのサポート、「siginfo:read」のサポートなどが実装された。より効率的なVMスナップショットを可能にする「mapped-ram」など、マイグレーション向けの強化も含まれる。

 そのほかにも、ARMアーキテクチャーでECV(Enhanced Counter Virtualization)、NV(Nested Virtualization)、NV2(Enhanced Nested Virtualization)への対応が図られるなど、CPUアーキテクチャー固有の機能強化も盛り込まれている。