週末ゲーム
第557回
魔法剣士少女のハイスピード3Dアクション「CroixleurΣ」
必殺技を組み合わせてオリジナルコンボを作れ! やり込みもありの充実内容
(2014/4/25 12:10)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ハイスピード3Dアクションゲーム「CroixleurΣ(クロワルール・シグマ)」をご紹介する。
本作は同人ゲームとして頒布されており、執筆時現在はPLAYISMなどのダウンロード販売サイトや委託販売店で購入可能。PLAYISMにて体験版も公開されている。
スピード感あふれる魔法学園3Dアクション
「CroixleurΣ」は、多彩な剣を使いこなす少女が主人公の3Dアクションゲーム。魔法騎士学園に通う少女ルクレチア・ヴィスコンティ(通称ルーク)が、学園の共闘試練のため“ニトの塔”の攻略に挑む。
塔の内部は円形のフィールドになっており、その中に次々と沸き出す敵をすべて倒せば次の階へと進める。メインとなるストーリーモードでは、15分の制限時間内に塔を攻略するのが目的。
ルークの攻撃は正面に向かって剣を3連続で振る通常攻撃と、剣を振り回して周囲にダメージを与える回数制限付きの無敵必殺技、武器固有の必殺技の3種類がある。他にジャンプとダッシュが可能。ダッシュは発動した瞬間に無敵時間があるので、これをうまく使って敵の攻撃をさばいていく。基本操作はシンプルながら、ゲームのスピードはかなり速い。操作も忙しくなるので、ゲームパッドでのプレイを推奨したい。
ストーリーモードで塔を攻略していると、ときどき新たな武器を入手でき、武器によって必殺技が変化する。手に入れた武器はゲーム開始前に4つを選んで装備でき、ボタンの使い分けで発動する必殺技を変えられる。
なおダッシュと必殺技を使うとMPを消費する。MPはかなりのスピードで自動的に回復するので、ダッシュを繰り返すなどしなければさほどMP切れを意識することはなく、必殺技をどんどん使って敵を倒す爽快なアクションが楽しめる。
お手軽で爽快なコンボ探しが魅力
本作のアクションの中でも最も楽しいのが、コンボ探しだ。通常攻撃、必殺技、ジャンプ、ダッシュは、それぞれの行動を他の行動でキャンセルできる。通常攻撃だけだと3連続で終わってしまうが、必殺技やダッシュを絡めることで攻撃を止めることなく続けることが可能。
武器固有の必殺技には地上発動と空中発動の2種類があり、対応する状況にないと必殺技を使えない。空中発動の必殺技が出せる武器ばかりを選んでいると、ジャンプ中しか必殺技を出せないことになる。
ここでポイントとなるのは、必殺技から必殺技の繋ぎもキャンセルが効くこと。さらに必殺技から必殺技に繋いだ場合、攻撃力がアップするという特典もある。そのため、必殺技の発動位置と効果を見て、連続で繋がるものを考えて武器を選んでおきたい。
たとえば、地上発動でジャンプしながら斬り上げる必殺技は、発動時点では地上だが、発動後は空中になる。ここからは空中発動の必殺技に繋げられるわけだ。さらに空中から地上に降りる必殺技もあれば、降りずに空中で発動する必殺技もある。
また必殺技の発動は4つのボタンに振り分けるのだが、地上に居ながら空中発動の必殺技を出そうとすると、地上発動で出せる他の必殺技が出る。また既に連携に組み込んだ必殺技は再度発動できないのだが、その状態で使おうとすると、今使える他の必殺技が自動で選ばれて発動する。要は、ボタンを連打しているだけで、状況的に今出せる他の必殺技が発動する。
最初は思わぬ技が出る(思った技が出ない)ことに少し戸惑うのだが、4つの必殺技が繋がるような武器を選んでおけば、1つの必殺技ボタンを連打しているだけで、4つの必殺技のコンボが出せる。簡単な操作で爽快感を味わえる仕組みだ。なお、状況に合わせて必殺技が出る機能をあえて切りたい場合は、ゲームのオプションで“必殺技アシスト”をオフにすればいい。
必殺技は武器によって、攻撃力や攻撃範囲が大きく異なる。どの組み合わせが強いというわけではなく、対ボス戦で強力なコンボになる組み合わせや、空中の敵を倒しやすい組み合わせなど、状況にマッチしたものが生まれる。『この技で空中に飛んで、次に範囲攻撃で……』と考えながら武器を選び、試してうまくいくと実に楽しい。
シンプルに見えてボリュームも十分
本作のもう1つの魅力はやり込み要素だ。ストーリーモードは15分という制限時間内にクリア可能なボリュームである上、コンティニュー回数も無制限なので、クリアするのは簡単。ただクリア以外の目的や要素がいくつもある。
まずは先述の武器集め。ストーリーモードではステージの分岐がいくつかあるので、何周かはしないとすべての武器は集められない。また集めた武器は通常攻撃や必殺技で敵を倒すことで経験値を得てレベルアップし、攻撃力と消費MPが改善される。あくまで使った武器だけなので、持っている武器の力を引き出すには、すべての武器をある程度使い込む必要がある。
次に、ライバルキャラクターの開放。ストーリーモードをある条件でクリアすると、ライバルとして登場していた少女フランチェスカ・ストラーロ(通称フラン)が使用可能になる。ルークに比べて打たれ弱いが攻撃力が高いというバランスのキャラクターだ。武器もルークとは別に独立しており、ストーリーモードをプレイすることで新たに入手できる。もちろんストーリーもフラン視点のものが展開される。
さらにゲームの進行度によって、ストーリーモード以外のゲームモードも順次開放される。3分の間、1つのフィールドにどんどん沸く敵を倒しまくるスコアアタックモード、体力が続く限り敵を倒し続けるサバイバルモード、出されたお題を制限時間内に達成するチャレンジモード、ストーリーモードの後日談が見られるエクストラモードがプレイできる。
チャレンジモードは数秒から数十秒という短時間の制限時間内に、ステージに現れるすべての敵を倒すというもの。非常にシビアな時間設定で、腕前だけでなく持ち込む武器もあれこれ考えて行かねばならない。さらにゲームの進行度に応じて、新たなお題が追加される。
エクストラモードもストーリーモードに比べるとかなり難易度が高めになっている。腕を鍛えるのはもちろんだが、新たな必殺技コンボを探し、それでもだめなら武器を強化して改めて臨むといった流れでゲームを攻略していく。
ゲームモードの1つ1つはどれも短時間で、1プレイ数分から数十分で終わる。ストーリーモードもあっさりクリアできてしまうので、最初は『あんまりボリュームがないのかな?』と感じてしまった。ただそこから武器探し、武器の強化、コンボ探し、各種ゲームモードの攻略、そして各種実績の解除……とやっていると、あっという間に数時間が経ってしまう。シンプルながら、じっくり遊ぶのが楽しいアクションゲームに仕上がっている。
あともう1つ本作のアピールポイントとして、ルークの声を井口裕香さん、フランの声を藤村歩さんというプロの声優が演じている。プレイ中はキャラクターボイスがふんだんに使われていてかなり賑やかで、ストーリーモードでは2人のセリフがフルボイスで読み上げられる。サウンドやグラフィックスもハイレベルで、全体のクオリティの高さにも注目してほしい作品だ。
ソフトウェア情報
- 「CroixleurΣ」
- 【著作権者】
- souvenir circ.(スーベニア)
- 【対応OS】
- Windows XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 1,522円(税込み)など(体験版あり)
- 【バージョン】
- 1.0.5(14/04/13)