クリエイターが知らないと損する“権利や法律”
そもそも著作権って何だろう
~第1章:なぜ著作権という権利があるの?~
2016年7月11日 07:00
オンラインソフト作者に限らず、あらゆるクリエイターが創作活動を続けるために、著作権をはじめとして知らないと損する法律や知識はたくさんある。本連載では、書籍『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の内容をほぼ丸ごと、三カ月間にわたって日替わりの連載形式で紹介。権利や法律にまつわる素朴な疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えする。
そもそも著作権って何だろう
先生、そもそも著作権って、いったい何ですか?
クリエイターには、必ずついて回りますよね。
文章はもちろん、イラストや漫画、写真や音楽、映像も。周りの友だちも『何だか難しくてよくわからない』って言ってるやつが多いんですよ。
ひとことで言うなら、自分の作品が、どのように利用されるかを決定できる権利です。
えーっと、他人に勝手なことをさせないとか、逆に、好きにしていいよ! というのを決められるってことです?
そういうことになります。
権利は自分にあるので、どうするのかも自分次第です。
ちなみに著作権法では、本を読んだり音楽を聴いたりといった行為は『使用』、原則として著作者の許可が必要な行為は『利用』といいます。
あ、『使用』と『利用』って違うんだ。
その権利を使うには、何か資格が必要なんですか?
例えば先生のような弁護士みたいに、国家試験に合格しなきゃいけないとか。
特に必要ありません。
作品をどこかに登録しなきゃいけないとか?
その必要もありません。
作品として表現された瞬間、自然に発生する権利が著作権です。
著作権法17条2項(著作者の権利)
著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
いちおう、文化庁に著作権の移転などを登録する制度も存在していますが、登録しなくても権利は得られるのであまり利用されていないのが実態です。
ヘタクソな絵だったらダメとか?
プロが作った作品であろうと、アマチュアが作った作品であろうと、それこそ、子どもの落書きであっても関係ありません。
人の考えや気持ちが個性的に表現されていればいいのです。
何だかすごい権利ですね。
でしょ?(ニコッ)
先生、笑顔がコワイです。
次回予告
今回の続きとして次回は“著作権を使うと何ができる”というテーマを解説する。
原著について
『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』
(原著:鷹野 凌、原著監修:福井 健策、イラスト:澤木 美土理)
クリエイターが創作活動するうえで、知らないと損する著作権をはじめとする法律や知識、ノウハウが盛りだくさん! “何が良くてダメなのか”“どうやって自分の身を守ればいいのか”“権利や法律って難しい”“著作権ってよくわからない”“そもそも著作権って何?”といった疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えします!