クリエイターが知らないと損する“権利や法律”
コスプレしてもいいですか
~第5章:先生……二次創作がしたいです~
2016年8月22日 07:20
オンラインソフト作者に限らず、あらゆるクリエイターが創作活動を続けるために、著作権をはじめとして知らないと損する法律や知識はたくさんある。本連載では、書籍『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の内容をほぼ丸ごと、三カ月間にわたって日替わりの連載形式で紹介。権利や法律にまつわる素朴な疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えする。
前回掲載した“トレースしよう”の続きとして、今回は“コスプレしてもいいですか”というテーマを解説する。
コスプレしてもいいですか
友だちにコスプレイヤーがいるんですよ。
いつも何かキャラクターの衣装を作ってて、同人イベントで着てそのキャラクターになりきって、写真を撮られて……みたいな。
これって著作権的には大丈夫なんですか?
似せ方のレベルによりますね。
キャラクターの装束を真似するのは、理論的にはキャラクターの絵や映像を複製していることになります。
イベントで着るとなると私的複製と呼ぶのはやや難しそうなので、似れば似るほど著作権に触れる可能性があります。
ありゃ……。
ただ、これも二次創作同人誌と同様に、ファンによる活動の一環なので、権利者は黙認している場合が多いです。
ただ、そういう行為が商業レベル……つまり儲かる次元になってしまうと、許容範囲を超えやすいでしょう。
衣装の販売や、写真集を同人誌即売会以外で販売するのは、危険性が高いですね。
権利者にとってデメリットになってしまうから?
そう。実際、無許可でコスプレ衣装を販売して、逮捕された事例もあります。
正規のライセンス契約を結んでキャラクターの衣装を販売している業者にとってみれば、海賊版の衣装を販売している業者は商売の邪魔になってしまうわけですよね。
それを権利者が放置していたら、誰も正規のライセンス契約を結んでくれなくなってしまいます。
そりゃそうですね。
こぼれ話。先日逮捕された販売業者が売っていたのは、東映の『海賊戦隊ゴーカイジャー』の海賊版コスプレ衣装でした。
海賊だけに!
次回予告
今回の続きとして次回は“好きな曲の歌詞を使いたい”というテーマを解説する。
原著について
『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』
(原著:鷹野 凌、原著監修:福井 健策、イラスト:澤木 美土理)
クリエイターが創作活動するうえで、知らないと損する著作権をはじめとする法律や知識、ノウハウが盛りだくさん! “何が良くてダメなのか”“どうやって自分の身を守ればいいのか”“権利や法律って難しい”“著作権ってよくわからない”“そもそも著作権って何?”といった疑問に会話形式の堅苦しくない読み物でお答えします!