新Windows 10が配信中!新機能と改善点をおさらい

第2回

一般ユーザーにも3DとMR体験をもたらす「Windows 10 Creators Update」

手元の写真や落書きを3D化できる「ペイント 3D」はぜひ試してみてほしいアプリ

「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」

 「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」の新機能を紹介する本連載。第6回となる今回は、「Creators Update」の目玉である3Dと“複合現実(Mixed Reality)”に関連する機能を紹介する。

初心者でも3Dに挑戦できる「ペイント 3D」

新しいグラフィックスアプリ「ペイント 3D」が初期搭載

 「Creators Update」には、新しいグラフィックスアプリ「ペイント 3D」が初期搭載されている。この「ペイント 3D」を利用すれば、初心者でも簡単に3Dの世界へ踏み出すことが可能だ。

 たとえば、手元の写真をもとに3Dモデルを作成してみよう。今回はネコの画像を利用した。まず、「ペイント 3D」で写真を開き、[選択]ツールでネコを適当に選択する。すると、[2D の選択]というサイドパネルが現れるので、そこで[マジック選択]ボタンを選択しよう。あとは、ペンやマウスを利用してネコがキレイに選択されるように調整していく(わざわざ範囲を囲わなくても、不要部分や追加部分を軽くなぞるだけでよい)。

 選択が完了したら、[2D の選択]パネルで[3D の作成]ボタンを押す。するとネコを前後上下左右へ移動できるようになる。ステッカーを貼り付けてデコレーションしてみても面白いだろう。

[マジック選択]ツールでネコを切り取り
切り取ったネコを前後上下左右へ移動
“Remix 3D”

 そのほかにも、人物や動物、立体図形などを3Dモデルとして追加したり、手書きの絵を立体化させることも可能。作成したモデルは、コミュニティサイト“Remix 3D”で公開することもできる。このサイトはまだプレビュー版という扱いだが、将来的には「ペイント 3D」との連携なども行えるようになるはずだ。

 なお、「ペイント 3D」は3Dグラフィックスだけでなく、これまで通り2Dグラフィックスを扱うことも可能。[設定]-[視点の表示]オプションを無効化すれば、奥行きをもたない2Dグラフィックスソフトとして利用できる。

これまで通り2Dグラフィックスを扱うことも可能
従来の「ペイント」も健在(「Anniversary Update」から更新した環境で確認)

 また、「ペイント 3D」が不要な場合はアンインストールすることも可能。“ストア”からインストールすれば、元の状態に戻せる。従来の「ペイント」も引き続き利用できるので安心してほしい。

3Dモデルを閲覧できる「View 3D」

 さらに、「Creators Update」には3Dモデルを閲覧するビューワー「View 3D」が標準搭載されている。この「View 3D」はマウス、タッチ、ペン、またはキーボードによる操作をサポートしており、3Dモデルをさまざまな角度からチェックすることが可能だ。

STL/OBJ/FBX形式をサポートしたモデルビューワー「View 3D」
「3D Builder」と組み合わせて3Dプリンターによる印刷も

 「View 3D」では、現在のところSTL/OBJ/FBX形式がサポートされている。「Windows 10」の標準アプリ「3D Builder」と組み合わせれば3Dプリンターによる印刷も行える。使いこなせるかどうかは別にして、3Dの世界へ踏み出すハードルは「Creators Update」の登場により大きく引き下げられたといえるだろう。

“複合現実(Mixed Reality)”プラットフォームとしての「Creators Update」

 また、「Creators Update」では“Windows Mixed Reality”が新たにサポートされている。

 “Windows Mixed Reality”は、以前に“Windows Holographic”と呼ばれていた技術で、「Creators Update」搭載のPCと専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用することで、“MR(複合現実)”の世界を体験することができる。

“Windows Mixed Reality”

 すでに開発者向けのデバイスが出荷されているほか、「Creators Update」には「複合現実ポータル」なるアプリが追加されており、ある程度試すことができる。しかし、それ以上の情報は、5月に開催される開発者向けカンファレンス“//build”での発表を待つ必要があるだろう。

「複合現実ポータル」アプリ

 なお、一般ユーザーが利用できるようになるのは、今年後半になる見込み。専用のHMDは手ごろな値段で入手可能になるはずなので期待したい。