新Windows 10が配信中!新機能と改善点をおさらい
第1回常に進化し続ける「Windows 10」と、新しい機能アップデート「Creators Update」
基礎固めの時期はほぼ終わり、Windows 10プラットフォームは拡張期へ
2017年5月1日 06:00
「Windows 10」の機能アップデート「Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)」の一般提供が開始されて、約2週間が経った。「Windows 10 Creators Update」の配信は順次行われるため、まだ配信されていない環境も少なくないと思われるが、ゴールデンウィークを境に利用できる環境も増えてくるだろう。また、連休を使って「Windows 10 Creators Update」への手動アップデートに挑戦したいというユーザーもいるだろう。
そこで本連載では、「Windows 10 Creators Update」で新たに追加された機能や改善を紹介する。第1回となる今回は、まず「Windows 10 Creators Update」とは何かについて迫ってみることとする。
常に進化を続けるOS ~“Windows as a Service”
「Windows 10」とその機能アップデートを語る上で避けて通れないのが、“Windows as a Service”というコンセプトだ。
従来のOSは完成した“製品”として販売されるのが前提で、“製品”に残された不具合や、利用環境の変化に対応するための改善や修正、軽微な機能追加などを修正プログラムやサービスパックとして適宜提供する形態をとっていた。しかし、この形態では技術進歩や利用形態の変化に追随するのは難しい。また、多くの旧製品をサポートしなければならないコストもバカにならないし、旧製品が市場に残っていることがWindowsプラットフォームの発展にとって足枷になっている点も否定できない。
そこで、「Windows 10」は常に更新され続ける“サービス”として提供されている。具体的には、セキュリティ修正を中心とする毎月の“品質アップデート”に加え、年数回の“機能アップデート”が提供され、マーケットでサポートされるのは基本的に最新2つの機能アップデートのみに限定される。当初は少しわかりにくい仕組みだったが、次第に仕組みが整理され、現在では“3月と9月の年2回に機能アップデートを提供”、“それぞれの機能アップデートは18カ月間サポートされる”というのが基本方針となっている。
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つまり、個人ユーザーは年2回の機能アップデートを強いられることになるわけだ。これを面倒に思うユーザーも少なくないと思われるが、前向きに考えれば、これは追加料金を支払わずに新しい機能と改善を利用できることでもある(バージョンを固定したい法人向けなどの用途では、専用のライセンスとソリューションを導入すべきだろう)。どうせアップデートしなければならないのであれば、古いバージョンに固執せず、むしろ新しい機能に積極的に親しんで、使いこなしてしまおうというのが本連載の趣旨でもある。
「Windows 10 Creators Update」のテーマ
これまで「Windows 10」には3つの機能アップデートが提供されてきた。各機能アップデートのバージョンは、リリース日の“西暦下2桁+月の2桁表示”が基本となっている。
- Windows 10 RTM(バージョン 1507)
- Windows 10 November Update(バージョン 1511)
- Windows 10 Anniversary Update(バージョン 1607)
- Windows 10 Creators Update(バージョン 1703)
このうち「November Update」は「RTM」で取りこぼした機能の追加・改善という性格が色濃い。そして「Anniversary Update」も“Windows Ink”の搭載などのトピックがあったものの、全体的にはスタート画面や「Microsoft Edge」など、「Windows 10」に寄せられた不満に応えたものという印象を受ける。
それに比べると、「Creators Update」は名前の通り“クリエイターのためのプラットフォーム”という比較的明確なコンセプトが前面に押し出されているのが大きな違いと言えるだろう。基礎固めの時期はほぼ終わり、Windows 10プラットフォームの世界を拡張しようという意思が感じられるアップデートとなっている。
そこで、次回は「Creators Update」最大のコンセプトである“クリエイター”向けの機能を見ていくことにしよう。
おまけ:「Windows 10 Creators Update」を手動アップデートで一足先に体験
「Windows 10 Creators Update」の配信は、メーカーのテストやユーザーからのフィードバックを募りながら、徐々に提供対象を拡大する手法がとられている。そのため、基本的には“Windows Update”に配信されるまで待つのが望ましい。
しかし、一刻も早く「Creators Update」を試したい、一部の環境に先行導入して不具合が生じないかテストしたい、といった要望に応えるため、手動アップデートによる更新も可能となっている。
詳しい方法については、以下の記事を参照してほしい。