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「Windows 10 バージョン 1903」では“Windows Update”のSAC-T/SACの切り替えUIが廃止

紆余曲折を経て“半期チャネル”に統一へ、“半期チャネル(対象指定)”はなくなる

公式コミュニティ“Microsoft Tech Community”

 米Microsoftは、“Windows Update for Business”と「Windows 10」の“半期チャネル(対象指定)”(SAC-T)を廃止する。これに伴い2月14日(現地時間)、「Windows 10 バージョン 1903」(19H1)以降、「Windows 10」のリリース情報ページから“SAC-T”の記述を取り除く方針を明らかにした。「Windows 10」の一般向けリリースチャネルは、紆余曲折を経て“半期チャネル”(SAC)に統一されることとなる。

 “Windows Insider Program”でテストされた「Windows 10」の機能アップデート(年2回)が完成すると、まず配布対象を限定した“Current Branch(CB)”として一般ユーザーにリリースされる。何度かの品質アップデートを経て(通常は60日程度)、十分な安定性が得られたと判断されると配布対象の限定が解除され、“Current Branch for Business(CBB)”としてビジネスユーザーにも届けられるようになる。このCB/CBBモデルは「Office 365」に合わせる形で見直され、SAC-T/SACと改称された。

 たとえば、「Windows 10 バージョン 1809」の場合、“Windows Update”の詳細オプションで“半期チャネル(対象指定)”(SAC-T)を“半期チャネル”(SAC)へ切り替えると、機能アップデートの適用を遅らせることができる(“Pro”以上のエディションのみ)。つまり、“SAC-T”と“SAC”の違いは“機能アップデートを適用する時期”の違いだということになる。

 しかし、現実的にはSAC-T/SACという異なる2つの“リリース”があると認識されるケースが多く、“SACがリリースされてから導入検証を行う”という組織も少なくなかった。本来であれば“SAC-T”になった時点で部分的な導入テストを開始し、“SAC”となった時点では全面的な展開が行えるように準備すべきだろう。また、“SAC-T”と“SAC”の切り替え(Windows Update for Business)に加え、“機能更新プログラムの適用を何日遅らせるか”というオプションが追加で提供されているのもユーザーの混乱を招いていた。

「Windows 10 バージョン 1809」における“Windows Update”の詳細オプション

 そこで、「Windows 10 バージョン 1903」からは“SAC-T”と“SAC”を選択するオプションそのものが“Windows Update”から削除される。「Windows 10」の各バージョンのリリース日はこれまで2つ(SAC-T/SAC)公表されていたが、以降は“SAC”1つだけが公表される。更新プログラムの適用を遅らせる方法も整理され、“SAC”のリリース日から何日遅らせるかを指定するだけでよくなる。

「Windows 10 バージョン 1903」における“Windows Update”の詳細オプション

 なお、「Windows 10 バージョン 1903」で“SAC”を指定している場合は、機能アップデートを適用するまでの延期日数に60日間が自動的に加算される。そのため、わざわざ詳細オプションを変更しなおす必要はない。