フリーのドローソフト「Inkscape」が2年ぶりの更新。グラデーションメッシュに対応

「Inkscape」v0.92

　The Inkscape projectは1日、オープンソースのドローソフト「Inkscape」の最新版v0.92を公開した。Windows/Mac/Linuxなどに対応するクロスプラットフォーム対応アプリケーションで、現在本ソフトの公式サイトや窓の杜ライブラリから無償でダウンロードできる。

　2年ぶりのアップデートとなる本バージョンでは、グラデーションメッシュをはじめとする新しい機能が多数追加されたほか、オブジェクトダイアログの刷新や偶発的な事故を防止するガイドロック機能が導入されるなど、ユーザーインターフェイスの改善が図られた。また、“SVG 2”と“CSS3”のサポートも強化。ビルドシステムが「Autotools」から「CMake」へ切り替わるなど、インフラストラクチャーの更新も進められている。

　グラデーションメッシュとは、オブジェクトを網目状に分割して複雑なグラデーションを行う機能。「Adobe Illustrator」でもおなじみの機能で、オブジェクトに自然な光沢を付け加えたり、立体感を出すのに役立つ。

　そのほかにも、本バージョンでは格子変形やミラー、回転コピーといった新しいパスエフェクトを搭載。鉛筆ツールではインタラクティブなスムージングがサポートされたほか、ペンツールではB-スプライン曲線を描く機能が追加された。また、チェッカーボードを背景に使用できるようになったことで、オブジェクトの透明度をより簡単に確認できるようになっている。

　なお、本バージョンではCSS標準に合わせてデフォルトの解像度が90dpiから96dpiへ変更されているので注意。以前のバージョンで作成したファイルを開くと、解像度を変換するかどうかをたずねるダイアログが表示される。また、現在のところMac版のバイナリは提供されていない。