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無償の高機能ドローソフト「Inkscape 1.4」が公開 ~カスタマイズ性を拡充

フィルターの選択を簡単にするフィルターギャラリーなどを追加して使いやすく

「Inkscape」v1.4

 The Inkscape projectは10月13日、オープンソースのドローソフト「Inkscape 1.4」をリリースした。多くの機能追加を含んだメジャーアップデートとなっている。

フィルターギャラリー

 [フィルター]メニュー直下からアクセスできる[フィルターギャラリー]ダイアログは、目的のフィルターをすばやくチョイスするために設計された新しいツールだ。カテゴライズされたサムネイルプレビューから好みのフィルターを選んだり、目的のフィルターをキーワード検索で探したりすることが可能で、サムネイルプレビューの大きさも自由に変更できる。個人で追加したカスタムフィルターも、専用のカテゴリーから簡単に探し出せる。

フィルターギャラリー

モジュラーグリッド

 「モジュラーグリッド」はオブジェクトを等間隔に配置するのに便利なツールで、ドキュメントに格子状のガイドラインを設け、それに沿ったオブジェクトの配置(レイアウト)が行える。グリッドの単位、格子ブロックのサイズ、ブロック間の余白の大きさなども調整可能。

モジュラーグリッド

 このオプションは[ファイル]-[ドキュメントのプロパティ]ダイアログで有効化できる。

統合フォントブラウザー(試験機能)

 「Inkscape 1.4」には新しいフォントブラウザーが追加されており、好みのサンプルテキストでフォントをプレビューしながら、必要なフォントを探し出すことが可能。

統合フォントブラウザー

 ただし、まだ試験機能という扱いになっており、初期設定では無効になっている。利用の際は[編集]-[環境設定]ダイアログの[インターフェイス]-[ウィンドウ]ページでオプションを有効化し、「Inkscape」を再起動させる必要がある。

その他の機能

 そのほかにも多くの機能が追加、改善されている。

  • スウォッチダイアログにカラーパレットのプレビューを含むドロップダウンメニューを追加
  • SVGフォントエディター
  • カスタマイズ可能なハンドル。ハンドルを操作しながらキャンバス上でサイズ、色、ストローク幅、アウトライン、不透明度をカスタマイズできるように。CSSファイルが保存されたときも「Inkscape」でライブアップデートされる
  • シェイプビルダーの改善。指定した複数のセクションをすばやくクリッピングできる
  • 「Affinity Designer」ファイルの読み込み
  • 書き出したPDFファイルの内部リンクをサポート
  • 500以上の新しいアイコンを含む「Dash」テーマ

 「Inkscape」は、オープンソースで開発されているベクターイメージのエディターツール。Windows/Mac/Linuxに対応するクロスプラットフォームアプリで、現在、公式サイト「inkscape.org」から無償でダウンロードできる。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」から入手することも可能だ。

ソフトウェア情報

「Inkscape」
【著作権者】
Bryce Harrington 氏、Bulia Byak 氏、Jon Cruz 氏、MenTaLguY 氏ほか
【対応OS】
Windows/Mac/Linuxなど(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.4(24/10/13)