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無料ドローツール「Inkscape」v1.2が公開 ~レイアウト機能を大幅強化

複数ページをサポートし、ユーザーインターフェイスの改善も

「Inkscape」v1.2

 The Inkscape projectは5月16日、オープンソースのドローソフト「Inkscape」の最新版v1.2を公開した。最新版ではオブジェクトのレイアウト機能が大幅に強化されている。

「タイル」パスエフェクト

 たとえば、「タイル」パスエフェクトが追加され、選択したオブジェクトをさまざまなパターンで繰り返し、並べることが可能になった。オブジェクトの角度や大きさを変えながら指定した行・列数で並べられるほか、少しずつずらして並べるといった微妙な調整も可能。

[整列と配置]パネルがタブ切り替え型に

 また、すでにあるオブジェクトの整列を行う[整列と配置]パネルがタブ切り替え型になり、従来からある[整列]タブに加え[グリッド]タブと[円]タブが加わった。[グリッド]タブでは指定した行・列数でオブジェクトを揃えて並べられ、[円]タブではあらかじめ指定した円弧上にオブジェクトを並べられる。

他の2つのオブジェクトの間隔と同じ距離にスナップしたり、他のオブジェクトの中心にスナップすることが可能

 さらに、スナップ機能が強化され、他の2つのオブジェクトの間隔と同じ距離にスナップしたり、他のオブジェクトの中心にスナップすることが可能となっている。

複数のページをもつドキュメントに対応

 レイアウト機能以外では、複数のページを持つドキュメントに対応。ページごとに大きさを変えたり、ページの配置も自由に変えられるほか、複数のページを含むPDFとして保存できる。

 加えて、カラーパレットのデザインが改善され、高さやタイルの大きさなどを簡単にカスタマイズできるようになった。[レイヤーとオブジェクト]パネルもデザインの改良が進められており、オブジェクトのタイプ別にアイコンが用意されたほか、アイコンの色を自由にカスタマイズすることも可能となった。

カラーパレットのデザインが改善
[レイヤーとオブジェクト]パネルもデザインの改良が進められている

 そのほか、[フィル/ストローク]パネルでは[フィル]タブにグラデーションの編集機能が戻された。[ストロークのスタイル]ではマーカーの距離と向きを変更できるようになっている。

[フィル/ストローク]パネルでは[フィル]タブにグラデーションの編集機能が戻された

 「Inkscape」は、オープンソースで開発されているベクターイメージのエディターツール。クロスプラットフォームに対応しており、Windows/Mac/Linuxで利用可能。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。Windows 10/11であれば「Microsoft Store」から入手することも可能だが、執筆時現在の最新版はv1.1となっている。

ソフトウェア情報

「Inkscape」
【著作権者】
Inkscape Project
【対応OS】
Windows/Mac/Linuxなど(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.2(22/05/16)