NEWS(10/12/02 18:57)

新しい動画再生技術“Stage Video”を採用した「Adobe Flash Player 10.2」Beta版

IE9のハードウェアアクセラレーション対応も盛り込まれる

「Adobe Flash Player」v10.2 Beta 1「Adobe Flash Player」v10.2 Beta 1

 米Adobe Systems Incorporatedは11月30日(現地時間)、「Adobe Flash Player」v10.2のベータ版を公開した。本バージョンでは、新しいビデオ再生技術“Stage Video”の採用をはじめとするさまざまな機能強化が図られているほか、プレビュー版「Adobe Flash Player "Square"」でテストされているIE9のハードウェアアクセラレーション対応も盛り込まれている。

 “Stage Video”技術とは、色変換・スケーリング・ビットマップイメージの転送といったビデオレンダリングの過程全体をハードウェアアクセラレーションにより高速化する技術。これまでもH.264のデコードなどでハードウェアアクセラレーションは利用されていたが、過程全体を通してハードウェアアクセラレーションを利用することにより、動画の再生に必要なCPUパワーを劇的に減らし、よりスムーズに動画を再生できるようになる。

“Stage Video”技術のベンチマーク。画像をオーバーレイ表示してもCPU負荷に変化はほとんどない“Stage Video”技術のベンチマーク。画像をオーバーレイ表示してもCPU負荷に変化はほとんどない“Stage Video”技術のベンチマーク。画像をオーバーレイ表示してもCPU負荷に変化はほとんどない

 本技術は“Flash”搭載のさまざまなデバイスで利用可能になる予定で、同社によるとすでに“Google TV”などのデバイスで利用されているとのこと。また、コンテンツの圧縮方法や配信方法に変更を加えずに“Stage Video”への対応を行うことも可能。すでに、“YouTube”などの動画配信サービスでは同技術の対応が始まっているという。

 また、マルチモニター環境への対応も強化。これまでは、1つのモニターで動画を全画面表示で再生している間にほかのモニターで別の作業を行おうとすると、動画ウィンドウからフォーカスが外れると同時に動画の全画面表示が解除されてしまっていた。しかし、本バージョンではフォーカスが外れても全画面表示が維持されるように改善されている。Flash動画をサブモニターで鑑賞しながら、メインモニターで別の作業をするといったことが可能だ。

 さらに、ネイティブなカスタムカーソルへの対応や、テキストにおけるサブピクセルレンダリングの改良などといった、デザイナーや開発者から要望の多かった機能改善も含まれている。

 「Adobe Flash Player」はWindowsなどに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作確認した。現在、同社のラボサイト“Adobe Labs”からダウンロードできる。

【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
10.2 Beta 1(10/11/30)

(柳 英俊)